テーマ 2024.06.07 2024.06.13
WordPressのブロックテーマとは?新機能の特徴やおすすめのテーマを紹介
2022年2月にリリースされたWordPress 5.9から、新機能「ブロックテーマ」がリリースされました。これはサイトのレイアウトをブロックエディタで編集できる機能で、ノーコードで編集できる非常に便利な機能です。しかし、まだまだブロックテーマに関する情報が豊富とは言えないため、「全体像がよくわからない」「自社サイトをブロックテーマに変えるべきか?」という不安を持つ人も少なくないでしょう。
そこで本記事は、ブロックテーマの特徴や、初めて導入する際におすすめのテーマを厳選して紹介します。最後まで読むことで、ブロックテーマに対する疑問点の解消に役立つことを目指しました。
目次
ブロックテーマとは?
WordPressのブロックテーマは、「フルサイト編集」に対応したテーマで、ブロックエディタベースで編集が可能です。これは現在主流になっているブロックエディタ(Gurtenberg)と同じ思想で作られており、2022年2月にリリースされたWordPress 5.9から導入が開始されました。
ブロックテーマでは、テンプレートがすべてブロックで構成されています。これにより、ヘッダー、フッター、サイドバーなどもブロックエディタで編集できます。
これに対して、従来型のテーマをクラシックテーマと呼びます。ブロックテーマとクラシックテーマは、「外観を設定できるテンプレート」という意味では同じですが、その構造は根本から異なります。
ブロックテーマの要となる「theme.json」とは何か
theme.jsonは、ブロックテーマのブロック関連設定やスタイルを一元管理・制御するためのJSONファイルです。スタイルは、theme.jsonを元にして生成されます。
フルサイト編集(Full Site Editing/FSE)とは何か
フルサイト編集は、WordPressが提供する新しい機能の一つで、ヘッダー、フッター、サイドバーなどのパーツをブロックエディタで直感的に編集可能な機能を提供します。
従来のWordPressテーマ(クラシックテーマ)では、Webサイトの全体的なレイアウト(ヘッダーやフッター、サイドバーなど)を編集するためには、テーマのPHPファイルを直接編集する必要がありました。
しかし、フルサイト編集を使用すると、デザイン要素をブロックとして扱い、ブロックエディタを使用して直感的に編集することができます。
フルサイト編集の利点は、そのままブロックテーマの利点となります。ノーコードでレイアウトをカスタマイズできることや、レイアウトを一元管理できるようになったことなどがブロックテーマを導入するメリットです。
フルサイト編集(FSE)でできること
ブロックテーマでは、フルサイト編集(FSE)を使用して以下のようなことができます。
メニュー項目 | できること | 対応するクラシックエディタ操作 |
---|---|---|
【1】ナビゲーション | ・ナビゲーションメニューの編集 | ・「外観」→「メニュー」 |
【2】スタイル | ・サイトのスタイルを編集 | ・「外観」→「カスタマイズ」 |
【3】固定ページ | ・固定ページのスタイルを編集 | ・固定ページ |
【4】テンプレート | ・index、single、404などページごと の表示を編集する |
・single.phpなどのテンプレート ファイルを編集 |
【5】パターン | ・よく使用するブロックパターンを登 録して利用できる ・ヘッダー、フッターも設定可能 |
・ウィジェット ・ヘッダー・フッターはカスタ マイザーやウィジェットで編集 |
ブロックテーマを使用するメリット
WordPressのブロックテーマを使用すると、以下のメリットが期待できます。
PHPの専門知識がなくてもテーマを編集できる
ブロックテーマは、FSEを使用してブロック単位で編集できます。これにより、非技術者でもウェブサイトのデザインを自由にカスタマイズできるようになります。
グローバルスタイルが使える
WordPressのグローバルスタイルとは、theme.jsonから出力されるスタイルのことです。グローバルスタイルにより、サイト全体のレイアウトを一元的に管理・設定できます。ブロックテーマを使用すると、グローバルスタイルを最大限活用できます。
公開後の運用負担が少ない
ブロックテーマは、公開後であっても管理画面から簡単にレイアウトを変更できます。PHPファイルを編集してサーバーにアップするなどの作業は不要なため、運用負担が軽減します。
ブロックテーマを使用するデメリット
ブロックテーマを使用する際には、以下のデメリットも確認しておくとよいでしょう。
クラシックテーマよりも情報が少ない
ブロックテーマは比較的新しい技術であるため、まだクラシックテーマと比較すると関連情報が少ないです。そのため、わからないことがあったときや問題の解決方法を知りたいときに、情報を見つけにくい可能性があります。
クラシックテーマのノウハウを転用しづらい
ブロックテーマとクラシックテーマとでは、構築方法が大きく異なります。例えば、クラシックテーマのテンプレートはPHPで編集可能ですが、ブロックテーマのテンプレートはブロック構成をオブジェクトツリーとしてHTML形式で保存しているため、サイトエディタで編集する必要があります。
PHPでのテーマ編集に慣れている人にとっては、逆にブロックを使用するノーコード型の編集方式が不便だと感じる場合があります。また今までのノウハウが転用しづらい点もデメリットとして挙げられます。
「はじめてのブロックテーマ」におすすめのテーマ
ブロックテーマの数はクラシックテーマと比べて少ないとはいえ、現時点で(2024年4月)WordPress上で600以上のブロックテーマを見つけることができます。
本記事では、安心して利用できる「日本人または日本企業が開発したテーマ」および「WordPress公式テーマ」に注目して紹介します。
Twenty Twenty Three【WordPress公式ディレクトリ掲載】
https://ja.wordpress.org/themes/twentytwentythree/
「Twenty Twenty Three」は、WordPress公式テーマの一つで、ブロックテーマの特性を最大限に活かしたデザインです。シンプルなデザインで適用範囲が広い点も人気です。
snow monkey
「snow monkey」は、技術者のキタジマタカシ氏が開発した有料のブロックテーマです。サイト構築で必要な機能が標準搭載されていることや、高度なカスタマイズが可能なことが特徴です。
別途提供されている「Snow Monkey Blocks」や「Snow Monkey Editor」を組み合わせると、さらに便利で高度な機能を使用できます。
unitone
「unitone」は、有料テーマの「Snow Monkey」も開発した技術者のキタジマタカシ氏が開発したブロックテーマです。美しいタイポグラフィや洗練されたデザインが特徴です。
なおunitoneは無料でダウンロード・使用できますが、アップデートやサポートフォーラムの利用には有料のライセンスキーが必要です。
X-T9【WordPress公式ディレクトリ掲載】
https://x-t9.vektor-inc.co.jp/
「X-T9」は、クラシックテーマの「Lightning」を開発した株式会社ベクトルが開発・提供しているブロックテーマです。無料で使用できるほか、有料プラグインを組み合わせると、さらに高度な機能が使用できます。
Cormorant【WordPress公式ディレクトリ掲載】
https://ja.wordpress.org/themes/cormorant/
「Cormorant」は、岐阜で活動しているオレインデザイン久野晃司氏が開発しているブロックテーマです。WordPressの機能を邪魔せず最大限使用できるようシンプルな設計がされており、カスタマイズしやすいのが特徴です。
「Create Block Theme」でオリジナルのブロックテーマを作成できる
公式プラグインの「Create Block Theme」を使用すると、新規にブロックテーマを作成したり、既存のブロックテーマをカスタマイズしてオリジナルデザインとして使用できます。
https://ja.wordpress.org/plugins/create-block-theme/
結局、ブロックテーマに乗り換えるべきか?
基本的には、ブロックテーマの導入を推奨します。
WordPressのブロックテーマは、従来のクラシックテーマが持つ問題を解決し、サイトのデザインと機能性を向上させる新しい手法です。今後はWordPress公式の動きとしても、ブロックテーマの開発が主流となっていくと想定されるためです。
ただし、現在使用中のクラシックテーマを今すぐ変更するほどではありません。サイトのリニューアルなどのタイミングで、ブロックテーマへの乗り換えを検討するとよいでしょう。
まとめ
フルサイト編集およびブロックテーマは、WordPressが目指す方向性に合致した手法です。記事編集においてクラシックエディタからブロックエディタへと移行が進んだように、テーマにおいてもブロックテーマへの移行が進み、今後の主流になっていくと考えられます。
もちろん、すぐにテーマを切り替える必要はありませんが、変化に乗り遅れないように少しずつ情報収集を進めておくようにしましょう。
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