カスタマイズ 2024.04.18 2024.04.25
【最新版】 WordPressを高速化する7つの方法まとめ
WordPressのページ読み込み速度を向上することは、ユーザビリティの向上やGoogleの評価アップなど、多くのメリットをもたらします。すぐに出来る対策はいくつもありますが、大事なことは、自社サイトの現状を正しく把握し、適切な対策を講じることです。本記事では、サイト運営者が積極的に取り組むべき高速化施策を7つピックアップして紹介します。
最後まで読むことで、自社Webサイトのページ速度を改善する手順がイメージできるようになります。
目次
「WordPressの高速化」をすべき理由
WordPressの高速化とは、WordPressサイトの表示スピードを高速化する取り組みです。具体的には、コードや画像を最適化することによって「ブラウザがサーバーにリクエストを送信してからページが表示されるまでの時間」を短縮することを指します。
サイトの表示スピードは、ユーザーの満足度や行動に影響を与えるだけでなく、Googleの評価にも関係するため重要な指標です。
WordPressの高速化に取り組むことで、以下のような効果が期待できます。
ユーザーの離脱率の改善
ページの表示速度が遅いと、ユーザーは待つのを諦めてサイトを離れてしまう傾向があります。つまり、表示速度を向上させることでユーザーを待たせずに済むようになり、離脱を防止できます。
UX向上(CVR向上)
Googleは、サイトの表示速度を検索順位の決定要素の一つとしています。これはユーザー体験の向上に表示速度が大きく影響しているためです。探しているページがスムーズに表示されるとユーザーの満足度が向上します。ストレスなく情報を得られることで、サイトの回遊率やコンバージョン率(CVR)の向上に繋がります。
SEOに好影響を与える
前述のように、Googleではサイトの表示速度を検索結果のランキングの評価項目として使用しています。ページの表示が早いと高品質なWebサイトとしてプラスに評価され、逆に表示が遅いとユーザーを失望させる低品質なWebサイトとしてマイナスに評価されます。
2021年6月からは、表示速度を評価するコアウェブバイタルが導入されたことでその傾向が顕著になっています。表示スピードが速いだけで検索結果が上がるわけではありませんが、速度の改善によりページビューや滞在時間が増加することで、SEOに良い影響を与えます。
Google広告の品質スコアに影響する
Google広告では、広告の品質を1から10までのスコアで評価しています。これは広告の掲載順位を決定する「広告ランク」を決定する際に用いられる指標のため、品質スコアの向上は重要です。
品質スコアを決定する要因のひとつが、「ランディングページの利便性」です。具体的には、ユーザーが広告をクリックした先のランディングページのコンテンツ品質や表示速度が優れていると利便性が高いと評価されます。
つまり、ページの表示速度を向上させることは、結果的にGoogle広告の品質スコア向上および広告ランク向上に寄与します。
サーバー費用の削減
WordPressの高速化により、サーバーの負荷が軽減され、処理能力が向上します。これにより、サーバー費用を削減することが可能になります。
【現状把握】まずは「PageSpeed Insights」でサイト速度を確認する
WordPressの高速化に取り組む際には、現状を把握するのが第一歩です。定量的に速度を把握するツールとして多くのサイトに利用されているのが、Googleが提供するツール「PageSpeed Insights」です。
調査したサイトのURLを入力して「分析」をクリックすると、読み込みスピードがスコアで表示されます。特別な設定をしなくても利用できるので初心者でも使いやすいツールです。
分析結果ぺージの中で読み込み速度の確認ができるのは、「パフォーマンス」項目です。
以下の指標を確認することで、サイトの速度が数値で把握できます。
指標名 | 内容 |
---|---|
First Contentful Paint | ページの読み込みが開始してから最初のテキスト(または画 像)が画面上に表示されるまでにかかった時間 |
Largest Contentful Paint | もっとも大きなテキスト(または画像)が画面上に表示され るまでにかかった時間 |
Total Blocking Time | ページがユーザー入力に応答できない状態の合計時間(≒最 初のテキスト・画像が表示されてからマウスクリックや画面 タップができない時間) |
Cumulative Layout Shift | ページ読み込みなどにより発生する、予期しないレイアウトのずれを表す度合い |
Speed Index | ページの読み込みが開始してからコンテンツが表示されるス ピードを表す指標 |
パフォーマンス指標の下に表示されている診断結果を見ると、何が原因で点数が下がっているのか、また何を改善すれば速度が改善するのかが把握できます。ここで指摘されている内容を元に対策を行うのがもっとも確実な方法です。
高速化の目安は?
PageSpeed Insightでは、読み込み速度を0から100までのスコアで測定しています。改善の必要がない「100点のサイト」が理想ですが、実運用で100点を獲得できるサイトはほぼ皆無です。
サイトの高速化を行う一番の目的は、ユーザーにより良い体験を提供することです。そのため100点を取ることを目的にするのではなく、50点以上を目安にユーザー体験の改善を図るのがよいでしょう。分析結果を確認してパフォーマンスを下げている要因や改善方法に意識を向けることが重要です。
WordPressを高速化する7つの施策
以下は、WordPressを高速化する主な施策です。全てを取り組むのが難しい場合は、「難易度が低く、効果期待度が高い」項目から取り組むと、効果が出やすくなります。
難易度 ・手間 |
効果期 待度 |
内容 | |
---|---|---|---|
①不要なプラグイン を削除する |
★☆☆ | ★☆☆ | ・使用していないプラグインを削除 |
②画像をリサイズす る/軽量画像形式に 変換する |
★☆☆ | ★★★ | ・手作業で画像サイズを縮小または変換する ・プラグイン対応可 |
③画像の遅延読み込 み |
★☆☆ | ★★☆ | ・imgタグに属性を追加する ・プラグイン対応可 |
④キャッシュの有効 化 |
★☆☆ | ★★★ | ・「.htaccess」にコードを記述する ・プラグイン対応可 |
⑤CSS・JavaScript の最適化 |
★★☆ | ★☆☆ | ・コード内の余分な空白等を整理する ・プラグイン対応可 |
⑥PHPのバー ジョンアップ |
★★★ | ★☆☆ | ・コントロールパネルからバージョンアップ (レンタルサーバーの場合) |
⑦サーバースペック を上げる |
★★★ | ★★★ | ・サーバースペックを上げる ・他のレンタルサーバーへ移行も |
①不要なプラグインを削除する
もっとも簡単にできるのは、使用中のプラグインを見直して不要なものを削除することです。プラグインはインストールするとサイトに負荷がかかります。そのためプラグインの数を減らすだけでも表示速度が改善します。
②画像をリサイズする/軽量画像形式に変換する
画像ファイルはテキストファイルよりも容量が大きいため、表示速度に対する影響が大きくなります。Webページ内にファイル容量が大きい画像が多く含まれると、それだけで通信データ量が増加し、読み込み速度が遅くなります。
そこで、画像サイズを縮小したり、WebPなどの次世代フォーマットに変換することで表示速度が改善します。既存サイトで多数の画像を使用している場合、手作業で対応するのは作業負担が大きいため、「EWWW Image Optimizer」などのプラグインを使用するのがおすすめです。
WordPressで画像をWebP対応する詳しい方法については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
https://wpmake.jp/contents/knowledge/knowledge-webp/
PageSpeed Insightの診断では、「次世代フォーマットでの画像の配信」が該当します。
③画像の遅延読み込み
画像の遅延読み込みとは、Webページを表示する際に画像を一度に読み込まずに、最初にブラウザに表示される画像のみを読み込み、表示範囲外の画像の読み込みを遅らせる技術です。Webページにアクセスした際の読み込む画像の量が減り、ページ表示速度が向上します。
imgタグに「loading=”lazy”」属性を追加すると、画像の遅延読み込みに対応できます。
1 |
<img src="images/hoge.jpg" loading="lazy" /> |
または「EWWW Image Optimizer」「Autoptimize」などのプラグインを使用する方法もあります。
PageSpeed Insightの診断では、「オフスクリーン画像の遅延読み込み」が該当します。
④キャッシュの有効化
キャッシュは、1回目の閲覧で読み込んだファイルを保存しておき、次回同じページを訪問した際に再利用することで読み込み速度を向上する仕組みです。キャッシュを有効化するには「.htaccess」にコードを記述する方法と、プラグインを使用する方法があります。
PageSpeed Insightの診断では、「静的なアセットと効率的なキャッシュ」が該当します。
「.htaccess」にコードを記述する方法
FTPツール等でディレクトリにアクセスし、「.htaccess」に以下のコードを記述します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 |
<IfModule mod_expires.c> ExpiresActive On ExpiresByType image/gif "access plus 1 months" ExpiresByType image/jpeg "access plus 1 months" ExpiresByType image/png "access plus 1 months" ExpiresByType image/x-icon "access plus 6 months" ExpiresByType text/css "access plus 1 months" ExpiresByType text/javascript "access plus 1 months" ExpiresByType application/javascript "access plus 1 months" ExpiresByType application/x-javascript "access plus 1 months" </IfModule> |
ここで追加しているのは、ブラウザキャッシュを保持する期間を指定するコードです。 「ExpiresByType」でファイル種類を指定し、「access plus ~」でキャッシュ保持期間を指定します。「ExpiresByType image/gif “access plus 1 months”」であれば、「gifの場合はファイルに最初にアクセスした時点から1ヶ月間、そのファイルをキャッシュする」という指定になります。
もし、CSSやJavascript等を頻繁に編集する場合にはキャッシュ保持期間を短く設定するなど、自社のサイトに合わせて調整してください。
プラグインを使用する方法
キャッシュの有効化ができるプラグイン「W3 Total Cache」「WP Super Cache」を使用すると、簡単にキャッシュを有効化できます。
【手順1】FTPソフトなどでサーバーへアクセスし、「.htaccess」のバックアップを取得しておきます。※必ず行ってください。
【手順2】WordPress管理画面から「プラグイン」→「新規プラグインを追加」を開いてキーワード欄にプラグイン名(WP Super Cache)を入力します。見つかったプラグインは「今すぐインストール」をクリックしてインストールした後、「有効化」をクリックします。
有効化すると、左メニューにある「設定」の中に「WP Super Cashe」という項目が追加されます。
【手順3】WordPress管理画面から「設定」→「WP Super Cache」を開くと「簡単」タブが表示されます。画面の中ほどにある「キャッシング」で「キャッシング利用(推奨)」を選択したら「ステータスを更新」をクリックします。
⑤CSS・JavaScriptの最適化
ソースコード内の可読性向上のための改行やスペース、コメントアウトされたコードなどが含まれていると、それらもデータとして認識され容量が大きくなります。データ容量が大きいとページ表示速度が遅くなるため、不要なコードを削除することでページのロード時間を短縮し、パフォーマンスを向上できます。
プラグイン「Autoptimize」や「Optimize Database after Deleting Revisions」を使用すると、簡単にコードを最適化できます。
また古いGoogle Analyticsのタグや広告タグを放置したままだと、積もり積もってスピードに影響します。定期的に埋め込まれているタグを見直し、不要なタグを削除するのが理想です。
PageSpeed Insightの診断では、「不要なJavaScriptの削除」が該当します。
⑥PHPのバージョンアップ
WordPressは、PHPのバージョンを適切なものに変更することで、表示速度の改善が期待できます。
古いPHPを使用し続けていると、速度だけでなくセキュリティ面でも問題が起きる可能性があります。バージョン8.0(2023年11月26日サポート終了)以前を使用している場合は、早めにバージョンアップを実施することをおすすめします。
レンタルサーバーを使用しているのであればコントロールパネルから簡単にバージョンアップが可能です。作業自体は簡単ですが、作業をおこなう前には必ずバックアップを取得しましょう。PHPを古いバージョンから一気に最新バージョンに引き上げると、不具合が出てしまうケースも珍しくありません。
WordPress本体やプラグインのバージョンアップで対応できる場合はまだ良いですが、プラグインの更新が止まっている場合は代替プラグインへの変更が必要だったり、問題のある箇所をひとつひとつ手作業で修正しないといけなかったりする場合もあります。
⑦より速いレンタルサーバーに移行する
サーバーのスペックが低いとページ表示速度が遅くなります。そのため他の対策を行っても大きな効果がなかった場合は、サーバーのスペックを上げることも検討しましょう。
プランを変更したり、より高スペックなレンタルサーバーへ乗り換えるという選択を検討してください。
まとめ
サイトの表示スピードを改善する手段として、WordPressの高速化は非常に有効な手段です。一度に全ての対策を実施するのは負担が大きいため、「PageSpeed Insights」で指摘された内容や、難易度が低く効果期待度が高い施策から順番に実施するのがおすすめです。
できることからコツコツと取り組むことで、長期的に高い効果に繋がります。
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