カスタマイズ 2024.08.26

【初心者でもわかる】WordPressのヘッドレス化とは?特徴や利点を解説

この記事を書いた人

株式会社e2e wp.geek編集部

WordPressサイト制作サービス「wp.make」やWordPress保守・運用サービス「wp.support」などを展開する株式会社e2eの情報発信チームです。お客様の課題解決に役立つ、WordPressの最新情報をお届けいたします。

WordPressの運用で発生する課題を解決する選択肢の一つに、「ヘッドレスCMS」と呼ばれる仕組みがあります。これは、コンテンツ管理部分と表示部分を分離するもので、表示速度の向上、フロントエンド開発の柔軟性、マルチデバイスへの配信のしやすさなどの利点があります。

ヘッドレスCMS製品を使用するだけでなく、WordPressをヘッドレスCMSとして利用することも可能です。WordPressの強みを生かしつつヘッドレスCMSのメリットを享受できる選択肢として近年人気が出ています。

本記事では、WordPressをヘッドレスCMSとして使用する際のメリット・デメリットについて解説します。

ヘッドレスCMSとは

ヘッドレスCMSは、コンテンツを表示するフロントエンド機能を持たず、コンテンツ管理のバックエンド機能のみを搭載したCMSです。拡張性、速度、セキュリティ面で強みを持ち、北米を中心に導入が進んでいます。調査会社のレポートによると、ヘッドレスCMSの市場規模は2028年に15億ドル(約2300億円)に達すると予測されており、今後も利用が増加すると見られています。

モニターがないデスクトップPCのようなシステムをイメージするとわかりやすいでしょう。

従来のCMSは、フロントエンド機能とバックエンド機能を同一システム内に搭載しています。しかしヘッドレスCMSにはバックエンド機能しかないため、単独ではコンテンツを表示できません。代わりにAPI経由でコンテンツを取得し、別途用意したアプリケーションで表示します。表示する先は、PC・スマホに限らず、デジタルサイネージ、スマートウォッチ、スマートスピーカーなど多岐にわたります。

ヘッドレスCMSとは

代表的なヘッドレスCMS製品として、Ghost、MicroCMS、Contentfulなどがあります。

WordPressのヘッドレスCMS化とは

本来WordPressはモノリシックなシステムですが、バックエンドとフロントエンドを切り離し、ヘッドレスCMSとして運用することもできます。

従来型の運用 ヘッドレスCMSとして運用
特徴 コンテンツ管理と表示が一体化
(モノリシック)
コンテンツ管理と表示が分離
(ヘッドレス)
メリット ・運用が容易
・管理画面から全てを管理できる
・外観をテーマで管理できる
・マルチチャネル配信に適している
・表示が速い
・フロント開発の自由度が高い
デメリット ・セキュリティが弱い ・開発スキルが必要

WordPressをヘッドレスCMSとして利用するメリット

WordPressは数多くの利点を持ち、世界中で使用されているCMSです。このWordPressをヘッドレスCMSとして利用することで、マルチチャネル配信や表示速度の向上といったメリットが加わります。

フロントエンドの自由度が高い

WordPressはPHPで開発されているため、従来型の運用であればPHPで開発を行う必要があります。しかし、ヘッドレスCMSとしての運用であれば、フロントエンドは自由に開発が可能です。Vue.js、React.jsなどを使用したモダンWeb開発にも対応しています。

表示速度の向上

従来型のWordPressでは、ブラウザからのリクエストに対して動的にファイルを生成するため表示に時間がかかります。ヘッドレスCMSとしての運用であれば、API経由でデータを受け取り表示するため表示速度が早くなります。

セキュリティが向上する

従来型のWordPressでは、脆弱性をついたインジェクション攻撃などによりフロントエンドからバックエンドへ侵入されるケースがありました。ヘッドレスCMSとして運用し、フロントエンドとバックエンドを分離することで、そのようなサイバー攻撃を受けるリスクが低減するため、結果的にセキュリティが向上します。

WordPressの管理画面を利用できる

他のヘッドレスCMS製品ではなくWordPressを採用することで、WordPressの優れたコンテンツ管理機能をそのまま使用できます。さらにWordPressは初心者にも使いやすく、また使用経験がある方も多いため、ユーザーの利用ハードルも大きく下がります。

マルチチャネル配信が可能

従来型のWordPressは、ブラウザでコンテンツを表示する前提で開発されており、他のチャネルへの配信には別途設定が必要です。例えばデジタルサイネージに配信する場合は、配信専用にWordPressを用意し、サイネージ向けのプラグインを追加するなどの作業を行います。

WordPressをヘッドレスCMSとして運用することで、単一のWordPressから多様なチャネルへコンテンツを配信できます。

WordPressをヘッドレスCMSとして利用するデメリット

WordPressをヘッドレスCMSとして利用する場合、導入の困難さや実装コストの問題が大きな課題になります。またプラグインが使用できないケースがあるなど、従来型の運用とは異なる注意が必要です。

導入や運用が難しい

本来WordPressは導入のしやすさが特徴です。しかしヘッドレスCMSとして使用する場合は、フロントエンドを開発するための専門知識が必要になります。またAPIに関する開発スキルも不可欠です。さらに運用も煩雑になります。

実装コストが高い

ヘッドレスCMSとしてWordPressを使用する場合は、別途フロントエンドを開発するなど実装が複雑になるため、WordPressで完結するケースよりも格段にコストが高くなります。

プラグインやテーマに制限がある

WordPressをヘッドレスCMSとして使用する場合は、フロントエンドを別のアプリケーションが担うことになります。そのため従来使用していたテーマは使用できません。
またテーマと連動して機能するプラグインも動作しない可能性があります。

WordPressのヘッドレス化が向いている/向いていないサイト

WordPresをヘッドレスCMSとして運用する場合は多くのメリットが期待できます。しかし、サイトによってはヘッドレス化が適していないケースがあります。以下のようなサイトは、ヘッドレスCMSに向いている/向いていないと判断できます。

向いている

・サイトのパフォーマンスを向上したいサイト
API経由でコンテンツを配信するため、サイトのパフォーマンスが向上します。

・セキュリティを向上したいサイト
管理画面がオンライン上になく、また動的にページを生成しないためサイバー攻撃の対象になりにくくなります。

・複数のチャネルにコンテンツを配信したいサイト
フロントエンドとバックエンドが分離しているため、マルチチャネル配信に適しています。

向いていない

・多数のプラグインを使用しているサイト
ヘッドレス化によりプラグインが使用できなくなる可能性があります。

・開発コストを抑えたいサイト
フロントエンド開発に追加費用がかかります。従来型のWordPressとして運用したほうがコストを抑えられます。

WordPressのヘッドレスCMS化する方法

WordPressをヘッドレスCMSとして運用する場合、「WP REST API」という仕組みを使用します。これはWordPressと外部のアプリケーションとの間でデータの送受信を行うインターフェースです。

WP REST APIについては、以下の記事で詳しく解説しています。

WordPress REST APIとは|概要と基本のコマンドをわかりやすく解説

WordPressをヘッドレス化する手順は以下のとおりです。

  1. WordPressをインストールしてコンテンツを登録する(バックエンド)
  2. ReactやNext.jsを使用して表示機能を開発する(フロントエンド)
  3. WP REST APIを使用して、データをフロントエンドに配信する

フロントエンドの開発などには専門知識が必要なため、WordPress開発が得意な制作会社に相談するのがおすすめです。

表示速度向上が目的であれば「WordPressの静的化」という選択肢も

WordPressのヘッドレス化により、セキュリティ向上や表示速度向上などの効果が期待できます。ただし、速度向上が主な目的であれば、WordPressの静的化という選択肢もあります。

ヘッドレス化の場合は、別途フロントエンドを開発する必要がありますが、静的化の場合は、プラグインをインストールして静的ファイルを生成するだけです。詳しくは以下の記事でも解説しています。

WordPressの静的化ガイド|表示速度とセキュリティを向上させる方法を解説

まとめ

従来のCMSはコンテンツや画像、テンプレートなどを一元管理することで、「誰でもWebコンテンツを作成・編集できる」ことを実現しました。しかし近年ではコンテンツの再利用やパフォーマンスの向上などの二―ズが生まれたことで、ヘッドレスCMSの需要が高まっています。

ただしヘッドレスCMSとしてWordPressを使用するためには、開発の手間や専門知識が必要です。自社でWordPressをヘッドレス化するメリットを感じたのであれば、WordPressに強い開発会社に相談してみるのがおすすめです。

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