カスタマイズ 2023.07.26

WordPressで大規模サイトを多言語化する方法とおすすめプラグイン3選

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社e2e 取締役 / CTO

1985年北海道生まれ。
200社以上の大手上場企業のWordPressサイトの制作、保守・セキュリティをサポートしている。

【 展開しているサービス一覧 】
■WordPress開発サービス「wp.make
■WordPress保守/運用サービス「wp.support
■WordPressハッキング/緊急復旧対応サービス「wp.rescue
■WordPressバージョンアップ代行サービス「wp.versionup

日本の商品・サービスに関心の高い外国人向けに、Webサイトの多言語化は有効な手段。
多言語化することで、言語を理由にWebサイトを離脱される心配も少なく、商品やサービスの魅力をより発信できます。

今回は、WordPressで大規模サイトを多言語化する具体的な方法、そして各メリット・デメリットを解説します。

WordPressで大規模サイトを多言語化する方法

WordPressで大規模サイトを多言語化するためには、大きく分けて2つの方法があります。

  • マルチサイトで言語・地域を振り分ける
  • 多言語プラグインを使用する

それぞれに、メリット・デメリットがありますので、1つずつ確かめていきましょう。

マルチサイトで言語・地域を振り分ける

マルチサイトとは、一つのWordPressで複数のサイトを運営する方法のことです。

サイトごとにWordPressを用意する場合、設定やプラグインのインストールを都度行う必要があり運営コストがかさみます。
一方、マルチサイトであれば一つのWordPress内で複数サイトを運営できるため、テーマやプラグインの管理が容易です。
また、デザインテーマ、プラグイン、各種設定も引き継げるため、カスタマイズの手間は最小限に抑えられます。

マルチサイトには「サブディレクトリ型」「サブドメイン型」の2種類があるため、それぞれ特徴を説明します。

サブディレクトリ型

サブディレクトリ型

サブディレクトリ型とは、画像のように「ja」「en」と言語に応じて、ドメインの/以下の部分を振り分けるディレクトリ構造。
同一ドメインでカテゴリを振り分けるイメージなので、SEO効果を引き継げる上、管理もしやすい特徴があります。

同じ事業やサービスのなかで、ジャンルを分けたい場合におすすめです。

サブディレクトリ型のメリット

  • サイト内が整理される
  • ドメインのSEO効果を引き継げる
  • 言語ごとにディレクトリを増やせるため手軽
  • 言語ごとに事業内容が変わらない場合には有効

サブディレクトリ型のデメリット

  • ディレクトリ構造を変更するとURLも変わってしまう
  • 言語ごとに事業内容が変わる場合にはサブドメインの検討も必要

サブドメイン型

サブドメイン型

サブドメイン型とは、もともと取得しているドメインの前をそれぞれ区切って運用する方法。

サブディレクトリのように、同一ドメイン内でカテゴリを振り分けるのではなく、それぞれ別コンテンツの新規サイトを立ち上げるイメージです。

同じ会社やブランドでも、別事業を扱うサイトを新たに開設する場合や言語ごとにサービス内容が変わる場合におすすめ。

なお、サブドメインはもともと取得したドメインの影響を受けにくい特徴があります。

そのため元のドメインがSEO対策を強化していても、サブドメインのサイト順位は上がりにくいです。

サブドメイン型のメリット

  • 同一ドメインで別のジャンルを扱える
  • 新規サイトを別ドメインで開設するより費用がかからない

サブドメイン型のデメリット

  • 元のドメインからSEO効果を得にくい
  • Googleアナリティクス等の設定、管理も別々なので作業工数が増加する

多言語プラグインを使用する

より手軽にWordPressサイトを多言語化したいなら、プラグインもおすすめ。

多言語プラグインの主な種類は次の3つで、サイト規模や運営・管理体制によって最適なものを選定する必要があります。

  • マルチサイト用プラグイン(1言語1サイト方式)
  • 1言語1記事方式プラグイン
  • 1記事複数言語用プラグイン(1記事の管理画面で複数言語を取り扱う)

本記事では、そのなかでも比較的手軽に導入できる多言語プラグインに絞ってご紹介します。

WordPressの大規模サイト多言語化におすすめのプラグイン3選

WordPressの大規模サイト、企業用サイトにおすすめの多言語プラグインを3選ご紹介します。

WPML

WPML

世界で100万以上のWebサイトに導入されている定番プラグインが「WPML」です。

単一のWordPressのインストールで、多言語サイトを構築できて40以上の言語に対応可能でサブディレクトリやサブドメインでも利用できます。
価格目安は以下の通りです。

  • 多言語ブログ:29ドル/1年
  • MULTILINGUAL CMS:79ドル/1年
  • 多言語エージェンシー:159ドル/1年

Polylang

Polylang

Polylangは、2カ国以上のWordPressサイトの作成に対応している無料プラグイン。

まず日本語で記事、タグ、カテゴリを作成した後、他言語でも同様に作成し、関連付けをするだけで利用できます。

URLについても、サブドメイン型・サブディレクトリ型を選択できるため、汎用性が高く企業用にもおすすめ。

また「Lingotek Translationプラグイン」をインストールすると、自動翻訳機能も追加でき便利です。

Bogo

Bogo

お問い合わせフォームのプラグインで有名な「Contact Form7」の開発者である三好 隆之氏が制作した無料プラグインです。

1投稿につき1言語を割り当てるプラグインで、日本語記事を投稿後に、他言語記事を投稿します。

言語ごとにディレクトリを配置するため、SEOの効果も引き継ぎ可能。

無料で気軽に導入できる点も魅力です。

大規模サイトの多言語化はWeb制作会社への委託がおすすめ

本記事ご覧いただければ、ある程度多言語対応の環境が整います。

しかし、実際にはプラグイン同士の干渉や運営管理、自動翻訳では海外ユーザーに正しく伝わらないなどの課題もあります。

これらを考慮すると、リスクを伴う大規模サイトの多言語化は、実績豊富なWeb制作会社への委託も視野に入れた方がよいでしょう。

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