基礎知識 2024.12.13 2024.12.13
WordPressでECサイトはダメ?プロがメリット・デメリットと代替手段を詳説
ECサイトを構築するにあたってWordPressの使用を検討している方は多いのではないでしょうか。しかし、WordPressでECサイトを構築するのは一定のリスクが生じてしまいます。そのため、リスクをしっかり把握したうえで構築することが重要です。
本記事ではWordPressでECサイトを構築するメリット・デメリットを解説したうえで、なぜWordPressでのECサイト構築でリスクが生じるのか、その理由を解説します。ECサイト構築の代替手段も紹介していますので参考にしてください。
目次
WordPressでECサイトを構築するメリット
WordPressでECサイトを構築するメリットは以下の4つです。
初心者でも簡単に扱える
WordPressは初心者でも扱いやすいWebサイト作成ソフトです。企業はもちろん個人でホームページやブログを運営している方もたくさんいらっしゃいます。そしてユーザーが多いということは情報量も豊富だということ。関連書籍やオンライン講座なども用意されていることから、疑問を解決しやすく、初心者でも簡単にECサイトの運営ができます。
コストを抑えられる
WordPressはオープンソースのソフトウェアであり、無償で公開されているプログラムを利用してサイトを作成します。このため初期費用やソフトウェアの利用料を抑えることができます。
コンテンツSEOの施策を展開できる
WordPressはSEOに最適化された内部構造になっており、特にコンテンツSEOに強いという特徴があります。このためECサイトの内部にコンテンツを作成して集客するコンテンツSEOの施策を展開できるのも大きなメリットです。
プラグインによるカスタマイズがしやすい
WordPressにはプラグインと呼ばれる拡張機能が多数公開されており、インストールすることで必要な機能を追加することができます。セキュリティ強化や自動バックアップ、画像の自動圧縮など追加できる機能の種類は豊富で、さらに基本無料で利用できることから、用途に応じて自由度の高いカスタマイズが可能です。
WordPressでECサイトを構築するデメリット
WordPressでECサイトを構築するデメリットは以下の3つです。
個人情報漏洩のセキュリティリスクがある
最大のデメリットは、個人情報漏洩のセキュリティリスクがあることです。
WordPressでECサイトを構築する場合、どうしても何らかの個人情報をWordPressのデータベース内に保持することになります。これはWelcartやWooCommerceなどを使用した場合、及びPayPalやStripeといった外部決済システムと連携した場合でも同様です。クレカ情報自体は外部に保存されるとしても、氏名や住所、メールアドレスなどは持たざるをえません。
WordPressはオープンソースであり、誰でもソースコードを閲覧できるほか、過去に発見された脆弱性についても確認することができます。公開情報から未知の脆弱性を発見したり、過去の脆弱性を利用してセキュリティパッチを適用できていないサイトを一斉に攻撃する、といったサイバー攻撃の被害に遭うリスクがあります。
ただし、バージョンアップをこまめにおこなうなどの基本的なセキュリティ対策で、かなりの確率でこれらのリスクを回避できるため、通常のWebサイトであれば問題はほぼありません。
しかし、ECサイトで扱う個人情報は、万が一漏洩するとビジネスの存続に大きな影響を与えかねません。そのため、WordPressでECサイトを構築するのではなく、安全性を考慮し、EC機能はECシステムを利用する方がリスクとリターンのバランスが良いと言えます。。
細かいカスタマイズにはスキルが必要
WordPressに関するWeb上の情報量は多いものの、いわゆる公式のカスタマーサポートがないため、疑問の解決が難しいケースもあります。
また、扱いやすい一方でサイトの調整や細かなカスタマイズにはHTMLやCSS、PHPなどの知識が必要になることから、スキルがない初心者ではストレスを感じることも考えられます。
WordPressでECサイトは良くないって本当?プロの結論
ここまでWordPressでECサイトを構築するメリットとデメリットの双方を解説しました。
プロの視点からすると、「WordPressでECサイトを構築するのはおすすめできない」というのが結論です。
やはり個人情報漏洩のリスクがある点が難点で、WordPressのWebサイトにEC機能をつけ、データベースに個人情報を持つことは避けるべきと言えます。
WordPressサイトにEC機能をつけ、データベースに個人情報を保持してしまうと、万が一サイバー攻撃を受けた際に個人情報が流出してしまうリスクがあり、大変危険です。
結論として、個人情報漏洩を防ぐためにEC機能は専門のECシステムを使うことをおすすめします。多少制限はあるものの、手軽に利用できる無料のECシステムもあるのでチェックしてみてください。
ECシステムを使用したECサイトの構築方法
WordPressの代わりにECシステムを使用してECサイトを構築する場合、以下の方法があります。
- パッケージ
- ASP
- クラウドサービス
- オープンソース
パッケージ
カート機能や受注・売上管理、顧客管理など、ECサイトの運営に必要な機能がパッケージ化されたシステムを導入する方法です。カスタマイズ性が高く、目的や要件に応じて独自のECサイトを構築できます。
他のECサイト構築方法に比べて初期費用や月額利用料がやや高額ですが、規模に関わらず様々な企業が採用している方法です。
ASP
既存のシステムやテンプレートをレンタルしてECサイトを構築する方法です。手軽に始められる無料版と、機能が充実している有料版があります。有料版であっても、パッケージに比べるとコストを抑えやすいのが特徴です。
一方で使用できる機能が限られている、カスタマイズ性が低いなどのデメリットもあります。
製品例:BASE、Makeshop、FutureShopなど
クラウドサービス
インフラやソフトウェアを持たず、必要な分だけサービスを利用する方法です。ASPに次いでコストを抑えることが可能なECサイト構築方法であり、またモデルによってはカスタマイズができる場合もあります。
ソースコードが開示されていないことから、社内での保守管理ができない点には注意が必要です。
オープンソース
インターネット上で公開されている無料のソフトウェアをベースにECサイトを構築する方法です。初期費用、月額利用料を抑えられるうえ、自由にカスタマイズできることから、スキルを持つ技術者がいれば独自性の高いECサイトを構築できます。
セキュリティ面に不安が残るため、採用する場合はセキュリティアップデートや対策を徹底しなければなりません。可能であれば上記3つの方法を使用することをおすすめします。
製品例:EC-CUBE、Magento Open Sourceなど
WordPressはSEO・ブログ集客に利用するのがベスト!
上記でご紹介した通り、ECシステムを使用したECサイトの構築方法は複数あります。ECサイトを構築するのであれば、WordPressではなく、よりECサイト運営に最適化されたECシステムを利用することを推奨します。
ただ、WordPressにもSEO・ブログ集客に強いという強みがあります。WordPressによるメディアサイトとECシステムによるECサイトを同時展開することで相乗効果を発揮して売上アップを目指せます。
ECシステムの仕様上、同じドメインでの運用が難しい場合も、サブドメインを利用すれば運営元が同じサービスであることを示すことができ、ブランディングの面でも大きな問題は生じません。
このように、WordPressはSEO・ブログ集客に活用し、ECサイトはECシステムで構築する、という両者の強みを最大限発揮する方法がベストであると考えます。
まとめ
本記事ではWordPressでECサイトを構築するメリット・デメリット、WordPressでのECサイト構築がおすすめできない理由、ECサイト構築の代替手段を解説しました。
WordPressでのECサイト構築には初心者でも簡単に扱える、コストを抑えられるなどのメリットがある一方、セキュリティリスクがある、新しい決済方法に対応できないなどのデメリットもあります。
特にセキュリティリスク(個人情報漏洩)については、ビジネスの存続に関わる重大なトラブルです。リスクとリターンが見合わないことから、WordPressはSEO・ブログ集客に活用し、ECサイトの構築にはECシステムを利用することをおすすめします。
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