2022.04.27基礎知識
WordPress 5.9 「Josephine」の新機能や変更点をご紹介
2022年1月25日にWordPress 5.9「Josephine」がリリースされました。WordPress5.9にバージョンがあがって、WordPress5.8からどんな変化があるのか、新機能や変更点を紹介します。
技術的な話ではありませんが、WordPress 5.9のコードネームは国際的なジャズ歌手のJoséphine Baker(ジョセフィン・ベイカー)にちなんでJosephine(ジョセフィン)と名付けられています。
目次
WordPress 5.9のサーバー要件
WordPress 5.9を動作させるには、以下の要件を推奨しています。
- PHP 7.4 以上
- MySQL 5.7 以上、またはMariaDB 10.2 以上
- Nginx あるいは Apache
WordPressは2022年1月25日(米国時間)にリリースされましたが、リリースされるまで以下のスケジュールにそって順次公開されていました。
- 2021年11月30日 Beta1
- 2021年12月7日 Beta2
- 2021年12月14日 Beta3
- 2021年12月21日 Beta4
- 2022年1月4日 リリース候補版1
- 2022年1月11日 リリース候補版2
- 2022年1月18日 リリース候補版3
- 2022年1月24日 ドライラン
- 2022年1月25日 リリース
リリースされたあとも、セキュリティやバグの修正が行われており、2022年4月末時点でWordPress5.9.3が公開されています。
WordPress 5.9の入手方法とアップデート方法
WordPress 5.9は以下のダウンロードページから入手できます。
ダウンロード | WordPress.org 日本語
WordPress 5.9のアップデート方法
WordPress 5.9にアップデートするにはWordPressの管理画面にログインしてダッシュボードの更新ページにある「今すぐ更新」ボタンをクリックします。
WordPressのメジャーアップデートを行う際は、事前に必ずファイルやデータベースのバックアップをとりましょう。
バックアップをとらず作業を進めた結果、更新によって不具合が起きデータが消えてしまうと復元が困難になりますので、気をつけてください。
WordPress 5.9の新機能と変更点
ここではWordPress 5.9の、主な新機能や変更点について紹介します。
Twenty Twenty-Two
WordPress 5.9では、新しいデフォルトテーマとして「Twenty Twenty-Two」が導入されています。「Twenty Twenty-Two」は初めてのブロックテーマで柔軟性・カスタマイズ性の高いテーマです。
新しいテンプレートの編集フロー、新しいブロックやインターフェースの改善、WordPress 5.9でコアに加えられた様々なサイト編集機能を試すのに最適なテーマだと言えるでしょう。
WordPress 5.9で導入されたフルサイト編集機能を利用できるブロックテーマとなっており、ヘッダーからフッターまでサイト内のすべてをブロックでデザインすることが可能で、コードは不要とされています。
サイト内のすべてのページのカラーやタイポグラフィー、レイアウトを自由にカスタマイズできます。
Twenty Twenty-Twoには、以下のようなパターンが用意されており、組み合わせることで自分の好きなレイアウトを作ることが可能です。
- Twenty Twenty-Two General
- Twenty Twenty-Two Footers
- Twenty Twenty-Two Headers
- Twenty Twenty-Two Posts
- Twenty Twenty-Two Pages
フルサイト編集
WordPress 5.8では部分的な編集が可能でしたが、WordPress 5.9ではサイト全体の編集が可能なフルサイト編集(Full Site Editing:FSE)機能が導入されました。
Twenty Twenty-Twoの紹介でも触れましたが、フルサイト編集はヘッダーからフッターまでサイトのすべてをブロックでデザインでき、コードは必要ありません。
コードを書かなくてもWebサイトのデザインを変更できるというメリットがあります。
フルサイト編集に対応したテーマ
WordPress公式テーマディレクトリで「Full Site Editing」で絞り込むと、以下のテーマがフルサイト編集に対応しています。
- ①TT1 Blocks
- ②Hansen
- ③Block-Based Bosco
- ④Q
ナビゲーションブロック
ナビゲーションブロックは、WordPress 5.9で追加されたブロックで、サイトのナビゲーションメニューを構造とデザインの両面から編集できます。
ナビゲーションブロックは、ブロックテーマやテンプレート編集に対応したテーマで使用できます。
ナビゲーションブロックでは、常に表示されるレスポンシブメニューか、ユーザーのスクリーンサイズに合わせて表示されるメニューかを選ぶことができ、一度選択したものが記憶されます。
WordPress 5.9では、ナビゲーションブロックのデータを「wp_navigation」の専用の投稿タイプを用いてデータベースに保存できるようになりました。
ナビゲーションメニューでは、既存のテーマで利用可能な【外観→メニュー】の画面から作成したメニューをインポートできます。
既存のテーマからブロックテーマに移行したとしても、一から作り直す必要はなく、既存のメニューから利用したいものを選択して自動的にブロックベースのメニューに変換されます。
ブロックパターンの改良
WordPress5.5にて初めて導入されたブロックパターンですがWordPress5.9にて改良されました。
ブロックパターンは、複雑に構成されたブロックを数クリックでコンテンツに挿入できる機能です。
WordPress 5.9の新たなブロックパターンの改良点を簡単に紹介します。
パターンディレクトリからパターンを見つけられる
パターンディレクトリから一般公開されているブロックパターンを探すことができます。
コンテンツで使用できる新着や人気のパターンを見つけることができ、自分のサイトで使うことができます。
簡単にいうと、プラグインを探して任意にダウンロードするのと同じ感覚です。
パターンエクスプローラー
パターンディレクトリのブロックパターンの種類は随時増加しており、WordPress5.9では新たにパターンエクスプローラーが導入されました。
「Explore」ボタンをクリックすることでフルスクリーンモードになり、数クリックでブロックパターンの閲覧、検索、挿入が可能です。
新たなデザイン機能の追加とブロック・UIの改良
WordPress5.9には11のGutenbergのバージョンが統合されているため、数多くの機能や改良、バグの修正が加えられています。
主な変更点は以下の通りです。
- 枠線(ボーダー)サポートUI
- リスト表示の改良
- ブロックの余白調整
- リッチURLプレビュー
- リンクのポップアップからページを作成
- 検索ブロックの改良
- ブロックの寸法についての新たな設定
- ウィジェット設定画面に追加されたウィジェットグループブロック
- フレックスレイアウトと新しい行ブロック
開発者向けのWordPress5.9について
WordPress5.9における開発者向けの機能について一部紹介します。
1つのブロックに複数のスタイルシートが適用可能に
ブロックごとに複数のスタイルシートを適用することが可能になりました。ブロックはマークアップが要求するスタイルのみを読み込み、スタイルシート全体を読み込むことはなくなりました。
theme.json が子テーマに対応
WordPress5.9ではtheme.jsonが子テーマに対応しました。コードを書かずともWordPress管理画面上で子テーマを作成できるようになりました。
パターン内の任意のブロックをロック可能に
WordPress 5.8のリリースから、ブロックタイプを登録する標準の方法として、block.json メタデータファイルの使用が推奨されています。
block.json の設定に lock 属性を追加するだけで、パターン内の任意のブロック をロックできるようになり、パターンの残りの部分はユーザーがコンテンツに合わせて自由に使えるようになりました。
まとめ
今回は、WordPress 5.9の新機能や変更点の詳細について説明してきました。
使いこなせるようになるとすごく楽しくWordPressが使えるようになりますので頑張って覚えましょう。