セキュリティ 2023.07.26

WordPress5.5がリリース!注目新機能・その他変更点

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社e2e 取締役 / CTO

1985年北海道生まれ。
200社以上の大手上場企業のWordPressサイトの制作、保守・セキュリティをサポートしている。

【 展開しているサービス一覧 】
■WordPress開発サービス「wp.make
■WordPress保守/運用サービス「wp.support
■WordPressハッキング/緊急復旧対応サービス「wp.rescue
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2020年8月11日にWordPress5.5がリリースされました。WordPress5.5では新たな機能の追加をはじめとする複数の変更が行われています。WordPress5.5の変更はSEO施策を重視した機能変更が多く見られますが、この記事では注目の新機能やその他の変更点、改善点を見ていきましょう。

WordPress5.5の注目新機能

WordPress5.5で新たに追加された注目の新機能を紹介します。いままでプラグインに頼らざるを得なかった機能が標準実装されることになり、そのほかにも運用が楽になる機能が追加されています。

参照元:WordPress 5.5「エクスタイン」

Native Lazyloadの実装

WordPressのサイト表示を早くするために、Lazyloadを実装するプラグインを導入されている方は多いのではないでしょうか。Layzyloadは画像の読み込みをページ読み込み時に一度に行うのではなく、スクロールにあわせて読み込みを遅延させることでページ全体の読み込み速度を向上させる仕組みです。

WordPress5.5ではLazyloadが標準搭載され、バージョンアップすることで過去に投稿した記事にもLazyloadが適用されます。Lazyloadはimgタグに「loading=”lazy”」を追記することで実現していますが、注意点としてimgタグに「width属性」「height属性」が必須となります。

WordPressの機能で画像を追加している場合は、自動的に両属性が付与されていますが、バージョンアップ前に確認してみてはいかがでしょうか。

xmlサイトマップ機能の実装

WordPress5.5になり、標準機能としてXMLサイトマップを生成する機能が実装されました。今まではGoogle XML Sitemapsなどのプラグインを利用している方が多かったと思いますが、WordPressの標準機能で対応できるようになっています。

WordPressの標準XMLサイトマップ(コアサイトマップ)は、WordPressをインストールしたディレクトリの直下に「wp-sitemap.xml」として作成されます。WordPress5.5にバージョンアップしたら、一度確認してみてはいかがでしょうか。

「ドメイン名/wp-sitemap.xml」

しかし、現状のコアサイトマップでは機能が限定的となっており、登録するURLを選択できないなどの問題があります。そのため、これまでプラグインでXMLサイトマップを生成されていた方は、一旦様子見としてこれまで通りプラグインを使用することを推奨します。

WordPress5.5では、管理画面からコアサイトマップの生成を制御できないため、function.phpに「add_filter( ‘wp_sitemaps_enabled’, ‘__return_false’ );」を追記することで無効化可能です。

また、Yoast SEOなどをご利用中の方であれば、プラグインの最新バージョンでコアサイトマップの生成を無効化することができますので、ご利用の環境にあわせてご確認ください。

プラグインとテーマの自動更新

WordPressの運用が楽になる新機能として、プラグインとテーマの自動更新が実装されました。WordPress自体のマイナーバージョンアップは以前から自動的に行われていましたが、プラグインとテーマも自動更新できるようになったのです。

デフォルトでは「自動更新しない」設定になっているため、これまでどおりの運用を行いたい方も安心してご利用いただけます。プラグインとテーマの両方で、個別に自動更新の可否を設定可能です。

プラグインやテーマは定期的にアップデートすることでセキュリティ対策にもなるため、自動更新機能を使ってみてはいかがでしょうか。

その他の変更・改善

新たに追加された機能以外にも、WordPress5.5にはいくつかの変更・改善点が存在します。そのなかから気にかけておくべき変更点を3つ紹介します。

jQueryバージョンの更新

WordPressではjQuery1.x系を使い続けていましたが、WordPress5.5でjQueryのバージョンが変更されます。jQueryはJavaScriptを簡単に記述できるようにするためのライブラリですが、WordPressでは古いブラウザ対応やプラグインの互換性の観点から8年以上も前にリリースされた1.x系を利用し続けていました。

現在のjQueryのバージョンは3.5.1が最新版ですが、WordPress5.5でいきなり最新バージョンに更新されるわけではありません。影響が大きいためWordPress5.5から5.7以降にかけて、段階的にバージョンアップされる予定となっています。

  • WordPress5.5:jQuery Migrate 1.xの削除
  • WordPress5.6:jQuery、jQuery Migrate、jQuery UIの最新版を導入
  • WordPress5.7以降:最新のjQuery Migrateを削除

jQuery Migrateは、jQueryのバージョン差異によって生じる問題を解決するためのjQueryプラグインであり、jQueryのバージョンアップによって問題が起きないようにするためのものです。

よほど古くなければ問題は無いと思われますが、WordPress5.5では古いjQuery Migrateが削除されるため、バージョンアップ後の動作確認はしっかりと行いましょう。

参照元:Updating jQuery version shipped with WordPress(英語公式)

プラグイン・テーマの.zipファイルでの更新が可能に

WordPressでは、以前からプラグインやテーマの.zipファイルをアップロードして新規に適用することは可能でした。しかし、追加されているプラグインやテーマの更新は.zipファイルでは行なえなかったのです。.zipファイルを利用した更新(アップデート)は、FTPソフトなどを使って手動でファイルを置き換える必要があり、非常に大変でした。

しかし、WordPress5.5では新規適用時と同じように.zipファイルでの更新が可能になっています。こちらの機能も運用が楽になる新たな変更点と言えるでしょう。

なお、.zipファイルによる更新は11年前から話題に挙げられていましたが、ついに実装されたという裏話も面白いところですね。

参照元:#9757 Allow Plugin/Theme updates from a uploaded .zip file.(英語公式)

Gutenbergの機能修正

WordPress5.0から実装された新しいエディタである「Gutenberg」ですが、WordPress5.5で「Gutenberg8.5」となり、ツールバーのデザインやUIなどが変更されて機能が追加されています。

そのなかでも「ブロックパターン」機能の追加は注目すべき点です。ブロックパターンは定義済みのブロックレイアウトのことであり、ブロックパターンを利用することで誰でも簡単にデザイン・レイアウトを行えるようにする機能となります。

ブロックパターンはGutenbergのブロックエディタから「パターン」を選択することで、事前に登録したブロックパターンを利用できます。現在はまだ10種類ほどのブロックパターンしか存在しませんが、今後多くのブロックパターンが追加される予定です。

ブロックパターンを利用することで、デザイン性の高いページも簡単に作れるようになるでしょう。ぜひWordPress5.5で導入されたブロックパターンを使ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

WordPress5.5ではさまざまな変更が行われましたが、そのなかでも新機能として次の3つはおさえておきましょう。

  • Native Lazyloadの実装
  • XMLサイトマップ機能の実装
  • プラグインとテーマの自動更新

そのほかにも、既存機能の変更・改善が行われていますが、全体的にSEO施策に関連する機能追加・変更が重視されており、多くの機能が変更されているものの破壊的変更は見られないでしょう。

しかし、変更点があることは事実ですので、WordPress5.5にバージョンアップした際にはしっかりと動作確認を行うことをおすすめします。

WordPress5.5ではSEOを重視した変更点だけでなく、運用が楽になるような変更も多く見られますので、ぜひバージョンアップして利用してみてはいかがでしょうか。

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