カスタマイズ 2022.10.26
WordPressを移行する手順を完全解説!移行タイミングと注意点もご紹介
WordPressのWebサイトの移行の手順が分からず、サーバーを変えたくても変えられない方は多いのではないでしょうか。サーバー移行は一見難しそうに見えるものの、正しい手順を踏めば非エンジニアの方でも対応可能です。
そこで本記事では、エックスサーバーからお名前ドットコムのサーバーに移行することを前提として、現状のWebサイトのドメインを維持した状態での、WordPressの移行の手順について解説します。
他のサーバーを用いた移行の場合も方法や注意点は同様であるため、WordPressのサーバー移行を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
WordPressの移行を検討するべきタイミングとは?
WordPressは、一度サーバーにインストールしてしまえば半永久的に使えるものです。しかし、下記のような状態に陥っている場合は移行を検討すべきです。
- サーバーのストレージが足りていない
- サーバーのスペックが低い
それぞれの状況について、順番に解説します。
サーバーのストレージ容量が足りていない
サーバーの容量は有限です。そのため、長期間にわたって同じサーバーを使用していると、データ量が膨れ上がってしまい、保存すべきデータ量がサーバーに収まらなくなることがあります。
WordPressを利用している場合、サーバーの容量を圧迫している原因は、Webサイトに用いている画像や動画、記事コンテンツであることがほとんどです。Webサイトを運営する上で、このようなデータを削除するわけにはいかないため、より多くの容量を備えているサーバーに移行する必要があります。
削除可能なコンテンツが少なかったり、必要なデータで容量を圧迫していたりする場合は、より大きな容量を持つサーバーに移行しましょう。
サーバーのスペックが低い
Webサイトが成長すると、より多くのPV数を獲得できるようになります。しかし、サーバーのスペックが低ければ、多くの同時アクセスに耐えられず、Webサイトがダウンしてしまうことがあります。せっかくWebサイトに訪れたユーザーを離脱させる原因となるため、このような状況は大きな機会損失です。
また、Webサイトがダウンするまでいかなくとも、表示速度の低下などによって、Webサイトの快適さを損なうケースは非常に多いです。表示速度が低下することによって、ユーザビリティの低下のみならず、SEOの観点においてもマイナス評価となります。
そのため、サーバーのスペックが低いことによって表示速度が低下するなどのトラブルがある場合は、いち早くより高いスペックのサーバーにWordPressを移行させることを推奨します。
WordPressの移行手順を完全解説
ここからは、具体的にWordPressを別のサーバーに移行する手順について解説します。
WordPressを別のサーバーに移行させる際の、大まかな手順は下記の通りです。
- 旧サーバーのWordPressデータをバックアップする
- 新サーバーの契約
- 新サーバーにドメインを登録する
- 新サーバーにWordPressをインストールする
- WordPressデータの引っ越しをする
- ドメインのレコード情報を切り替える
なお、ドメインのレコード情報を新サーバーに設定するのですが、そちらについては割愛しつつ、それぞれの移行手順について、詳しく解説します。
旧サーバーのWordPressデータをバックアップする
WordPressを新しいサーバーに移行する前に、旧サーバー内のWordPressデータのバックアップを取りましょう。無料のプラグインである「BackWPup」を用いることで、簡単にバックアップを取得できます。ここからは、「BackWPup」を用いてバックアップを行う前提で解説します。
まずは、WordPressで「BackWPup」をダウンロードしましょう。WordPressのダッシュボードを開き、サイドバーから「プラグイン」>「新規追加」を選択します。遷移した画面で、「BackWPup」を検索します。類似したプラグインも多数表示されるので、注意してください。
「今すぐインストール」よりインストールをしたら、有効化しましょう。
「BackWPup」が有効化されると、サイドバーの中に「BackWPup」が追加されます。こちらを選択し、その中から「新規ジョブを追加」を選択しましょう。「一般」タブの中にある「このジョブの名前」の欄に任意のジョブ名を記載し、下記の設定を行います。
- アーカイブ形式は「Tar GZip」を選択する
- バックアップファイルの保存方法は「フォルダーへバックアップ」にチェックを入れる
これらの設定が完了したら、設定を保存しましょう。
ただし、この形式でバックアップを保存する場合、ストレージの容量が必要になることに注意しましょう。たとえ外部サーバーなどに転送して保存する場合であっても、一時的にサーバー内に保存されるため、ストレージ容量が一杯になってしまわないように確認をしましょう。
「ジョブ」を開くと、先ほど設定したジョブが表示されます。そのジョブの「今すぐ実行」を選択しましょう。
WordPressのデータベース
WordPressのバックアップを取った際に、ダウンロードされるファイルは大きく分けて下記の2種類に分けられます。
- データベースファイル
- 構成ファイル
データベースファイルとは、拡張子が「.sql」となっているファイルのことです。投稿の内容や、画像のパスなど、WordPressのほぼすべての情報が格納されています。
構成ファイル
構成ファイルとは、先述したデータベースファイル以外のファイルのことです。「.php」や「.js」といった拡張子のものが多く見られます。
WordPressで作成したWebサイトの外観や挙動に必要なファイル群であるため、データベースファイルと同様に、削除することなく大切に保管しておきましょう。
新サーバーの契約
WordPressのバックアップを行ったのちに、WordPressの乗り換え先となる新サーバーの契約を行いましょう。
なお、サーバー選びは慎重に行うことが大切です。現状のWebサイトのPV数や更新状況はもちろんのこと、長期目線で考えたWebサイトの成長も見据えた上で、適切なサーバーを選ぶことを推奨します。
また、WordPressの移行のためにサーバーを申し込む場合、同時にドメインの取得を行う必要はありません。後述する流れに沿って作業を行うことで、既存のドメインとサーバーの紐付けが可能であるため、サーバーのみを契約しましょう。
新サーバーにドメインを登録する
新サーバーを決定・契約が完了したら、新サーバーにドメインの登録をしましょう。これを行うことで、URLの変更を行うことなく、新しいサーバーでWebサイトの管理をすることが可能になります。
どのサーバーを利用するかによって手順は若干異なるものの、ドメインをサーバー移転する方法は下記のとおりです。
契約したサーバーのコントロールパネルを開き、ドメイン設定を行うページを開く
既存のドメインを追加するため、「他社で取得済みの方 入力して追加」を選択する。
取得していたドメインを入力する。
新サーバーにWordPressをインストールする
ここまででサーバーを契約し、新サーバーにドメインを移転するところまで完了しました。
しかし、肝心のWordPressがインストールされていないため、Webサイトが存在していません。
そのため、ドメインの登録まで完了したら新サーバーでWordPressをインストールしましょう。
なお、WordPressのインストール完了後に確認できる下記の4つは、必ず控えておきましょう。
- ホスト名
- データベース名
- ユーザー名
- パスワード
これらは、WordPressの移行を行う際に必要となる情報です。正確に保存・入力するためにもコピー&ペーストをして記録することを推奨します。
WordPressデータの引っ越しをする
ここからは、実際に新サーバーにWordPressデータを移行します。先述したように、WordPressのデータには「データベースファイル」と「構成ファイル」の2種類があり、それぞれ分けて新サーバーにアップロードする必要があります。
WordPressデータを新サーバーに移行する手順は下記の通りです。
- WordPressデータベースをphpMyAdminでインポート
- 「wp-config.php」の書き換え
- 構成ファイルをアップロード
- hostsファイルを編集して確認する
- 管理画面から移行が完了しているかを確認
それぞれ順番に解説します。
WordPressデータベースを「phpMyAdmin」でアップロード
まずは、WordPressデータベースの情報をアップロードする必要があります。
WordPressデータベースの情報をアップロードする際は、データベース管理ソフトである「phpMyAdmin」を利用します。
phpMyAdminを用いてデータベースをアップロードする方法は下記の通りです。
レンタルサーバーの管理画面から、phpMyAdminにログインする。お名前ドットコムの場合は、サーバーのコントロールパネルにログイン後、サイドバーの「データベース」を選択すると、ページ上部にphpMyAdminのログインページのリンクがあります。
- 「インポート」をクリックする
- 「ファイルを選択」をクリックし、旧サーバーでバックアップとしてダウンロードしたファイルの中から、「.sql」の拡張子を持つデータベースファイルをアップロードする
- 「実行」をクリックする
「wp-config.php」の書き換え
データベースファイルをアップロード後、構成ファイルのアップロードを行います。ただし、ダウンロードした構成ファイルをアップロードしただけでは、WordPressのデータを移行できません。
構成ファイルをアップロードする際に、「wp-config.php」の書き換えを行う必要があります。「wp-config.php」は、WordPressがデータベースを認識するために必要な情報が記載されており、「wp-config.php」を適切に書き換えなければ、新サーバーに移行した情報を読み取れません。そのため、適切な情報に書き換える必要があります。
「wp-config.php」を編集する際は、パソコンに元からインストールされているメモ帳を使用するのは推奨しません。なぜなら、記述ミスやエラーなどに気付きにくく、これらを引き起こすリスクが非常に高いからです。また、文字化け等のリスクが生じやすいことも理由の一つとなります。
必ず、テキストエディタをダウンロードして、そのアプリを用いてソースコードの修正を行いましょう。テキストエディタとは、ソースコードを編集するために使うためのエディタであり、代表的なものに「Visual Studio Code」や「Sublime Text」などが挙げられます。
「wp-config.php」を書き換える方法は、下記の通りです。
- 「wp-config.php」をテキストエディタで開く
- 下記のデータベース情報を、保存した新サーバーのものに書き換える
- WordPress のためのデータベース名
- MySQL データベースのユーザー名
- MySQL データベースのパスワード
- MySQL のホスト名
なお、MySQLのホスト名は、MySQL情報に掲載されているため、それぞれのサーバーで確認しておきましょう。
構成ファイルをアップロード
「wp-config.php」の書き換えが完了したら、実際に構成ファイルをアップロードしましょう。構成ファイルをアップロードする際には、通常の場合はFTPクライアントというツールを利用します。しかし、お名前ドットコムの場合は、簡単にファイルをサーバーにアップロードできる機能があるため、その機能を用いて構成ファイルのアップロードを行えます。
お名前ドットコムで、構成ファイルをアップロードする手順は下記の通りです。
コントロールパネルにログインした後に、左サイドバーの「ファイル管理」を選択し、「ファイルマネージャー」をクリックする。
ファイルマネージャーのページに遷移したら、左サイドバーから利用するドメイン名のフォルダを選択する。表示されていない場合は、「public_html」フォルダ内にあるため、「public_html」フォルダを開きましょう。
バックアップとして保存していた構成ファイルをすべて選択し、ドラッグアンドドロップでファイルのアップロードが可能です。ファイルを上書きする際に、許可をするダイアログが出てくるので、上書きを許可しましょう。
hostsファイルを編集して確認する
新サーバーに切り替える前に、WordPressが正常に動作しているのかを確認しましょう。
その場合、パソコン上にある「hosts」ファイルを編集する必要があります。
「hosts」ファイルを編集する手順は下記の通りです。
- サーバーのIPアドレスを確認する。
- hostsファイルを確認します。hostsファイルはWindowsPCであれば、「C:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts」のパスを入力することで見つかります。また、Macの場合は「/etc/hosts」のパスを検索することで見つけられるので、検索して見つけましょう。
- hostsファイルを開き、最下部に「サーバーIPアドレス」「ご利用ドメイン名」を追加しましょう。
- ブラウザにドメインを入力し、新サーバーに設置したWordPressブログが表示されていれば問題ありません。また念の為、管理画面を開いて移行が完了しているかも確認しましょう。
ドメインの設定を切り替える
最後に、ネームサーバーとDNSの切り替えが必要となります。ネームサーバーの切り替えについては、先述した通りに行いましょう。なお、DNSレコードの設定が必要な場合は、ドメインを取得した会社に応じて設定が異なるため、ドメインを取得した会社のページから確認しましょう。
お名前ドットコムで取得した、ドメインのDNSレコードの設定方法は下記の通りです。
管理画面にログインし、上のメニューから「ドメイン」のDNS設定を選択する。
設定を行うドメインを選択し、「次へ」をクリック。
遷移先のページをスクロールし、「ホスト名」「TYPE」「VALUE」を入力し、追加をクリックする。それぞれには、下記の情報を入力しましょう。
- ホスト名:公開したいサイトのドメインに合わせたサブドメイン(空欄でもOK)
- TYPE:Aレコード
- VALUE:公開したいサーバーのIPアドレス
その後、ページをスクロールし、確認画面で確認を行い、正式に設定を完了させる。
WordPress移行の3つの注意点
WordPressを別サーバーに移行する際に、失敗する事例は多く見られます。リスクを回避するためにも、WordPressを移行する場合は下記3つの注意点を押さえましょう。
- 旧サーバーは移行完了後1ヶ月間は契約しておく
- 最初から用意されているindex.htmlを削除する
- ブラウザのキャッシュを削除する
それぞれ順番に解説します。
旧サーバーは移行完了後1ヶ月間は契約しておく
旧サーバーから新サーバーにWordPressの移行を完了させてから、1ヶ月間程度は旧サーバーも契約した状態にしておきましょう。
移行直後においては、WordPressを適切に移行できた場合であっても、一時的にWebサイトが表示されなくなることがあるからです。
この現象は、DNS設定を変更した数日の間は、新旧サーバーのうちどちらのWebサイトが表示されるかが不明確になるために起こります。
移行完了から間もないことによって、新サーバーで不具合が生じている場合でも、旧サーバーがあればWebサイトを表示させられます。
安定してWebサイトが表示されるようにするために、サーバー移行から1ヶ月程度は旧サーバーも契約したままで、新サーバーでの挙動が安定するようになってから旧サーバーを解約しましょう。
すぐに解約しないもう一つの理由は、新サーバーでトラブルが発覚した際にDNS設定の情報を移行前に戻すことで前の環境に戻すことが可能になるためです。
最初から用意されているindex.htmlを削除する
正常にWebサイトが表示されない原因の1つに、「public_html」フォルダの直下に、「index.html」が存在することが挙げられます。
「index.html」はデフォルトドキュメントと呼ばれるファイルの1つであり、サーバーの設定によって優先して表示されるファイルです。
WordPressでは、「index.php」が優先されて表示されるべきであるものの、「index.html」が存在することで、「index.html」が優先して表示されてしまいます。その結果、移行したWebサイトのトップページが表示されない事態が発生してしまいます。
Webサイトが正常に表示されない場合は、「public_html」フォルダを確認するとともに、「index.html」があれば削除しましょう。
ブラウザのキャッシュを削除する
サイトアドレスを正しく入力して検索をかけたにも関わらず、新サーバーの初期画面しか出てこないことがあります。
この現象の代表的な原因は、ブラウザキャッシュの影響です。キャッシュとは、端末内に保存されたブラウザのデータのことです。
サイトアドレスを正しく入力してもWebサイトが正しく表示されない場合は、更新前のキャッシュを基にページを表示している可能性があります。
そのため、正しくWebページが表示されない場合は、Chromeの場合は「シークレットウィンドウ」、Safariの場合は「プライベートブラウジングモード」でWebサイトにアクセスしましょう。これらのモードでは、キャッシュの影響を受けずにWebサイトにアクセスできるため、適切にWebサイトの状況を確認できます。
まとめ
本記事では、WordPressのサーバー移行を行う手順について解説しました。Webサイトが成長するほど、定期的なWebサイトの見直しが必要です。一見難しそうに見えるものの、WordPressの移行は本記事を参考にすることで、非エンジニアでも行えます。ぜひ本記事を参考に、WordPressのサーバー移行を実践してください。
また、WordPressによるWebサイト運営において、セキュリティ管理や保守管理は厳重に行うべき要件の1つです。事業の軸となるWebサイトを常に最適な状態で運用するためにも、適切なセキュリティ管理や保守管理が必要です。
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