カスタマイズ 2021.08.02 2023.07.26
WordPressバックアップ&復元方法をやさしく解説
WordPressのバックアップは、ひとことで言うと「もしものときの備え」です。サイトがアップデート中にエラーが発生して表示されなくなった場合や、サイバー攻撃によって不正にWebページが改ざんされた場合、バックアップデータがあれば迅速に問題を解消し、被害も最小限に抑えられます。
本記事では、そんなバックアップの取得方法をわかりやすく解説します。初心者でもかんたんに設定できる便利なプラグインや、レンタルサーバーが提供するサービスを利用して手間をかけずにバックアップを取得する方法までやさしく解説します。
目次
どのタイミングでバックアップを取るべきか
WordPressサイトのバックアップを取るタイミングは、大きく分けて「変更前の手動バックアップ」と「定期的な自動バックアップ」の2種類あります。これは単独で実施するのではなく、両方を組み合わせて実施するのが基本です。
変更前の手動バックアップ
基本は、サイトの重要な変更を加える前にバックアップを取得します。たとえばプラグインやテーマで設定を変更する前や、WordPressを最新バージョンにアップデートする前など。もしアップデートによりエラーが発生しても、すばやく以前の状態に戻すことができます。
定期的な自動バックアップ
定期的なバックアップは、サイトの安全性を確保するために重要です。毎日、毎週など一定頻度でバックアップを取得することで、Webサイトのデータや設定を保護できます。
自動アップデートによるエラーや脆弱性を狙ったサイバー攻撃など、トラブルやエラーはいつ発生するかわかりません。そのため、定期的にバックアップを取得して不測の事態に備えることが重要です。
バックアップを取得する頻度は高いほうが直近のデータを保存できますが、その代わりにデータ容量を圧迫します。保存先の容量を考慮した上で、適切な頻度でスケジューリングします。
また、保存したバックアップデータをどのタイミングで削除・整理していくのかについても、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
WordPressでバックアップすべきデータ
WordPressは、Webサイトの外観や機能を管理する「WordPressの構造データ(主に「wp-content」以下のテーマ・プラグイン・画像ファイル)」と、投稿した記事内容などを保存する「データベース」で構成されています。バックアップを行う際には、その両方を保存することが必要です。
WordPressバックアップをおこなう3つの方法
WordPressのバックアップ方法は、大きく3つの方法があります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、可能であれば複数の方法を組み合わせたほうが安全性が高まります。
①手動バックアップ | ②プラグイン | ③サーバー提供機能 | |
---|---|---|---|
手軽さ | ★ | ★★ | ★★★ |
メリット |
・サイト独自のファイルも保存できる ・構成ファイルとDBをそれぞれ保存 |
・専門知識不要 ・好みのものを選べる |
・追加インストール不要 ・復旧もかんたん ・サポート受けられる |
デメリット |
・慣れないと難しい ・FTP・SQL知識必要 ・復旧時の方法も知っておく必要がある |
・サポート終了のリスクがある ・一部機能が有料の場合がある |
・サービス内容によって期間・バックアップ対象が異なる ・追加費用が必要な場合がある ・サーバーごと方法が異なる |
【方法①】手動バックアップ
手動でバックアップをおこなう場合は、WordPressの構造データとデータベースをそれぞれ保存します。FTPソフトでアクセスできるのはWordPressの構造データのみのため、データベースを保存するためには、ブラウザからMySQLを操作できるツール「phpMyAdmin」を使用します。
まずはWeb関連データから保存します。
【ファイルのバックアップ】FTPで必要なファイルをダウンロード
FTPソフトでWordPressが格納されているフォルダへアクセスし、「wp-content」内にある「plugins」「themes」「uploads」フォルダをローカルストレージへダウンロードします。
次に、データベースのデータを保存します。phpMyAdminはレンタルサーバーのコントロールパネルから利用できることが多いため、自社・自身が利用しているレンタルサーバーでの使用方法を公式サイト等で確認します。
【DBバックアップ①】phpMyAdminにログイン
レンタルサーバーのコントロールパネルへアクセスし、phpMyAdminにログインします。データベース作成時に設定したMySQLユーザー名とMySQLパスワードが必要です。
【DBバックアップ②】エクスポートの実行
バックアップを取得したいデータベースを選択し、上部メニューから「エクスポート」タブをクリックします。
・テーブル:すべてのテーブルが選択されていることを確認します
・出力:「出力をファイルに保存する」が選択されていることを確認します
※バージョンによってはない場合もあり
・フォーマット:「SQL」が選択されていることを確認します
・生成オプション:「DROP TABLE / VIEW / PROCEDURE / FUNCTION / EVENT / TRIGGER コマンドを追加する」をチェックします
・エンコーディングへの変換:「なし」が選択されていることを確認します
上記の設定を確認できれば、「実行」ボタンをクリックします。
【バックアップからの復元手順】ファイルのアップロード・DBのインポート
復元する際には、WordPressの構造データはFTPソフトでWordPressが格納されているフォルダへアクセスし、「plugins」「themes」「uploads」フォルダをサーバーへアップロードします。データベースのデータは、phpMyAdminへログイン後、上部メニューから「インポート」タブをクリックしてから、復元したいファイルを選択してインポートを実行します。
【方法②】プラグイン
バックアップ機能を提供するプラグインを利用すると、手動で作業するよりもかんたんにバックアップが取得できます。さまざまなプラグインが提供されていますが、初心者にも使いやすく、利用者からの評価も高いのは「All in One WP Migration」「BackWPup」「Duplicator」の3つです。
なかでも、自動と手動でバックアップを取得できるなど使い勝手がよい「BackWPup」がおすすめです。
「BackWPup」の詳しい使い方や設定方法については、以下の記事で解説しています。
BackWPupの使い方・設定方法まとめ
また、各種プラグインからのバックアップ方法については、プラグインによって異なりますので、公式サイト等の情報をご確認ください。
【方法③】レンタルサーバーのバックアップ機能
主要レンタルサーバーでは、かんたんにデータをバックアップできるサービスを提供しています。多くが無料で利用でき、プラグインのインストールも不要です。手間をかけずにバックアップを取得したい人におすすめの方法です。
レンタルサーバーごとにサービス内容や利用方法が異なります。使用する際には、自社・自身で利用しているサーバーの提供方法を確認するとよいでしょう。
名称 | エックスサーバー | さくらのレンタルサーバー | ConoHa WING |
---|---|---|---|
提供内容 | 全プランで標準搭載 | スタンダード以上のプランで提供 | 全プランで標準搭載 |
特徴 | ・自動で過去14日分のデータをバックアップ | ・最大8世代保存可能 ・1つあたり容量30GB ・バックアップ用サーバーに保存 |
・自動で過去14日分のデータをバックアップ |
復元方法 | サーバーパネルから「MySQL復元」または 「バックアップ」_「自動バックアップデータから復元」 |
コントロールパネルから復元したいバックアップ を選択して「本番サーバーへリリース」 |
コントロールパネルの「自動バックアップ」から 復元したいWebデータまたはDBデータを選択して「復元」 |
レンタルサーバーの機能を使ったバックアップからの復元方法については、各サーバー会社のユーザーサポートに確認してみると良いでしょう。
まとめ
さまざまなセキュリティリスクに備えるため、バックアップを取得することは重要です。WordPressの場合はレンタルサーバーが提供する自動バックアップやプラグインを利用すれば手間もかからないため、まだバックアップをおこなっていない場合は早めに設定することをおすすめします。
ポイントは、正しい手順・頻度でバックアップをおこない、保存したファイルへのアクセスと復元手順を事前に把握しておくこと。これにより、バックアップデータが必要になった場合でも慌てずに対応できます。
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