基礎知識 2025.06.03 2025.06.05
MySQLとは?SQLとの違いや特徴、WordPressとの関係を解説
WordPressでのWebサイト制作について学習していると、「MySQL」という単語を目にすることがあります。「MySQLって何?」と疑問に感じている方も多いことでしょう。
本記事ではMySQLについて、概要や特徴を解説します。似たような単語である「SQL」との違いや、WordPressとの関係についても触れているのでぜひご覧ください。
MySQLとは?
MySQL(マイエスキューエル)は、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。1995年にスウェーデンのMySQL AB社が開発したソフトウェアで、現在はIT業界の最大手企業であるOracle社(Oracle Corporation)が管理しています。
性能の高さと使い勝手の良さからとても人気があるデータベースの1つであり、「Yahoo!」のLINEヤフー株式会社や「Google」「YouTube」のグーグル合同会社など、大手企業でも利用されています。
無料で利用できるオープンソースではありますが、必要に応じてOracle社の有償サポートも受けることができます。
SQLとの違い
一部名称が一致していることと、どちらもデータベースに関連する用語であることから、MySQLはSQLと混同されがちです。
MySQLとSQLの違いは、MySQLが「ソフトウェア」であるのに対してSQLは「プログラミング言語」だということ。SQLはデータベースを操作するための標準言語であり、MySQLにも使用されています。
MySQLにデータを保管している場合、このSQLを使うことで検索、抽出などの処理を実行することができるのです。
MySQLに採用されている仕組み
MySQLに対する理解を深めるなら、「リレーショナルデータベース」と「クライアントサーバーモデル」について知る必要があります。
以下ではMySQLに採用されている2つの仕組みについて解説します。
リレーショナルデータベース
表(テーブル)形式で複数のデータを整理し、それらを関連づける方法で管理するデータベースを「リレーショナルデータベース」と言います。リレーショナルデータベースでは、すべてのデータを大きなストレージにひとまとめにするのではなく、「テーブル」と呼ばれる複数の個別ストレージに分割して保管します。現在、一般的に利用されているデータの管理方法です。
リレーショナルデータベースには4つの特徴があります。
- 表形式で整理されているため見やすく扱いやすい
- 常に整合性のあるデータを確認できる
- SQLにより複雑な検索や集計が可能
- 拡張性が高くデータの規模やシステムの成長に柔軟に対応できる
以上の特徴を持つリレーショナルデータベースがMySQLには採用されています。
クライアントサーバーモデル
クライアントとサーバーが、ネットワークを通じてリクエストとレスポンスをやり取りする構造を「クライアントサーバーモデル」と言います。
クライアントとはサービスをリクエストするシステムで、具体的には「ブラウザ」を指します。一方でサーバーとはサービスを提供するシステムのことです。
例えばあなたがパソコンでGoogleを開いて「WordPress」と検索したとします。するとブラウザ(クライアント)は「WordPressについて知りたい」というあなたからの要求をサーバーへ具体的に、かつサーバーが理解できる言葉に変換してあなたの代わりに送ります。この時サーバーに送信される要求のことを「リクエスト」と言います。
クライアントからのリクエストを受け取ったサーバーは、要求に合致するページをクライアントへと返します。この工程を「レスポンス」と言います。
以上のように、1つの機能を利用する際にクライアントとサーバーがやり取りをする形式がクライアントサーバーモデルです。MySQLにもクライアントサーバーモデルが採用されており、クライアントがデータベース使用者の代わりにSQL(プログラミング言語)を用いて、サーバーへとデータを要求する仕組みとなっています。
MySQLの特徴
数あるデータベース管理システムの中で人気が高いMySQL。そんなMySQLには以下のような特徴があります。
データの一貫性に優れる
テーブル形式でデータを整理しているMySQLは、不適切なデータが混入するリスクが低いという特徴があります。
さらに、トランザクション機能を利用すれば一連の処理が行われている間、データの変更ができないためデータのズレを防ぎ、一貫性を保つことができます。
無料で使えるオープンソース
前述の通りMySQLはソースコードが公開されているオープンソースソフトウェアなので、基本的には誰もが無料で利用できます。
加えて修正も可能であることからカスタマイズができ、柔軟性が高いのも魅力とされています。
性能が高く処理速度が早い
一般的にリレーショナルデータベースは大規模なデータ処理に向いておらず、データ量が大きくなると処理速度が遅くなります。しかしMySQLは独自のストレージエンジン(※)を複数採用し、用途に合わせて切り替えることで性能を高めています。
これにより比較的処理速度が早く、大規模なシステムにも対応が可能です。特に読み取りの処理を行う機会が多いシステムに向いています。
※データベースの作成や更新、削除など、データの読み書きを行う機能のこと
(例)読み込み高速化に強い「InnoDB」、高速な読み書き処理向けの「MyISAM」など、用途に応じたエンジンを選択
拡張性が高い
上述した複数のストレージエンジンにより、拡張性にも優れているのがMySQLの持つ特徴の1つ。OSを選ばず、小規模システムから大規模システムまで利用できます。
加えてブラウザからデータベースに接続・管理できる「phpMyAdmin」や、データベース・テーブルの作成・設計・管理ができる「MySQL Workbench」など多数の拡張機能があり、これらを導入することで利用の幅が広がります。
さまざまなプログラミング言語に対応
PHP、C++、Ruby、Java、Pythonなど、MySQLはさまざまなプログラミング言語と連携できます。操作の際に使用する言語の選択肢が多いので、開発者は要件や自身の得意言語を選んで使用することが可能です。
マルチユーザーに対応
MySQLは複数のユーザーが同時にデータベースに接続し、利用することができます。主にWebをベースとしたサービスに大きな利点があり、例えばレンタルサーバーのデータベースなどに利用されています。
MySQL以外のデータベース管理システム
では、MySQL以外にはどのようなデータベース管理システムがあるのでしょうか?代表的なものを5つ紹介します。
MariaDB
MariaDBは、MySQLから派生したオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムです。MySQLと高い互換性があり、スピードと安全性、拡張性に優れています。
また信頼性が高いのもポイントです。商用・個人問わず広く利用されており、WordPressが公式にサポートするデータベース管理システムでもあります。
SQLite
SQLiteは、軽量で自己完結型のリレーショナルデータベース管理システムです。サーバーを使わず、データを単一ファイルに保存できるため、小規模なアプリや組み込みシステムで広く使われています。
WordPress公式によるサポートはありませんが、非公式プラグイン「SQLite Database Integration」を使えば、WordPressでSQLiteを利用することが可能です。
Oracle Database
Oracle Databaseは、Oracle社が開発する高性能で信頼性の高いリレーショナルデータベース管理システムです。大規模システム向けに設計されており、トランザクション処理やセキュリティ、拡張性に優れています。2024年にはもっとも人気のあるデータベースとして話題になりました。
MongoDB
MongoDBは、ドキュメント指向の非リレーショナルデータベース管理システム(NoSQL)です。データをJSON風の柔軟な形式(BSON)で保存できることから、スピーディーな開発やスケールを得意としています。
最近注目されている非リレーショナルデータベース管理システムの1つであり、スタートアップから大規模システムまで幅広く使われています。
Redis
Redisは、インメモリ型の非リレーショナルデータベース管理システムです。データをメモリ上に保存するため超高速な読み書きが可能で、キャッシュ、セッション管理、リアルタイム分析などに使われます。
こちらも非リレーショナルデータベース管理システムとして最近注目を集めており、Webサービスやゲーム、IoT分野で広く採用されています。
MySQLはWordPressでどのように使われている?
MySQLはWordPressでもデータベース管理のために使用されており、公式にサポートもされています。
WordPressのWebサイトは以下のようなデータで構成されています。
- 投稿記事(テキスト・画像)
- 投稿者
- コメント
- 固定ページ
- コメント
- カテゴリやタグ
- ユーザー
こうしたさまざまなデータを適切に管理するため、WordPressにはデータベースが必要不可欠です。そして、そんなデータベースを管理するシステムとしてMySQLが採用されています。ユーザーがWordPressのあるWebページにアクセスしたり、アクションを起こしたりした時に、MySQLから必要なデータが提供される仕組みとなっているのです。
WordPress以外のMySQLの活用例
WordPress以外にも、MySQLには以下の活用例があります。
Webアプリケーションのデータベース管理
WordPressと同様に、Webアプリケーションでは顧客情報や商品情報など多数のデータ管理が必要です。当然、データベース管理システムも欠かせません。
冒頭に挙げたYahoo!、Google、YouTube以外にも、Wikipediaや Facebookなどが開発・運用の際にMySQLを使用しています。
Webアプリケーションのコスト削減
Webアプリケーションに関しては、新規で開発するだけではなく別のシステムからMySQLに移行するケースもあります。
MySQLは他のデータベース管理システムに比べて低コストで利用できるのが強みです。実際に別のシステムからMySQLに移行して、千万や億単位のコストを削減した事例があります。
また、資金面の余裕が少ないスタートアップ企業や個人がWebアプリケーションを開発する際にも、コストメリットのあるMySQLは選ばれやすいです。
まとめ
本記事ではMySQLについて、概要やSQLとの違い、特徴、WordPressとの関係などを解説しました。
MySQLは性能の高さと使い勝手の良さから非常に人気があるデータベースの1つであり、WordPressに公式にサポートされています。WordPressを利用したWebサイトの制作においてデータベースを利用する場合はMySQLに関する知識が求められるため、本記事を参考に概要を押さえておきましょう。
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