基礎知識 2025.06.03 2025.06.05
「WordPress AI Website Builder」とは?わずか数分でWordPressサイトをAIが自動生成

WordPress.comが新たにリリースした「AI Website Builder」は、チャット形式でリクエストすると数分でWebページのひな型が出来上がる便利なサービスです。これを利用することで、従来と比べてWeb制作の手間を大幅に簡素化することが可能です。
本記事では、この「AI Website Builder」の特徴や活用方法について、わかりやすく解説します。
「AI Website Builder」はどんなサービスか
「AI Website Builder」は、ホスティング型WordPressを提供するWordPress.comが2025年4月9日にリリースした新サービスです。ユーザーがWebサイトの目的や所在地などの基本情報をチャット形式で入力するだけで、生成AIがそれに基づいたテキスト、レイアウト、画像などを自動生成し、Webページのひな型を構築します。
「AI Website Builder」公式ページ:https://wordpress.com/ai-website-builder/
このようなAIを活用したWebサイト自動生成機能は、すでに他のCMSでも導入が進んでいます。たとえば、クラウド型CMSのひとつであるWixは、2024年5月に「AI サイトビルダー」を提供開始しました。ユーザーが質問に答えるだけで最適なデザインとコンテンツを持つWebページを自動生成するというもので、基本的な仕組みは共通しています。
機能面において「AI Website Builder」が他のサービスと大きく異なるわけではありませんが、WordPressの主要開発企業であるAutomattic社が運営するWordPress.comが提供を開始したことは大きなインパクトを与えました。
「AI Website Builder」でできること
「AI Website Builder」の主な機能を3つに分けて解説します。
AIがデザインや基本テキストを自動生成してくれる
メインとなる機能は、Webページの自動生成機能です。ユーザーが入力した内容に応じて、条件に合致したデザインやコンテンツを備えたWebページを自動で生成します。
操作画面はチャット方式のため、開発の専門知識がないユーザーでも迷わずに操作できるよう配慮されています。
配色・デザインを変更できる
生成されたWebページは、通常のブロックエディタで制作したページと同じように操作できます。提案されたWebページを見てから、自分の好みに配色やデザイン、フォントを変更することが可能です。
日本語でサイトを作成してくれる
日本語でコンテンツを作成してくれます。リリース当初は日本語に対応していませんでしたが、現在は質問の回答も、生成するコンテンツも日本語に対応しています。
「AI Website Builder」の基本的な使い方
「AI Website Builder」はWordPress.com上のサービスのため、利用するためにはアカウントを作成してログインする必要があります。
作業の流れは、以下のようになります。アカウントを作成するところから順番に解説していきます。
WordPress.comのアカウントを作成してログインする
はじめに、「AI Website Builder」を使用するためのアカウントを作成します。「AI Website Builder」の公式ページ(https://wordpress.com/ai-website-builder/)へアクセスし、画面右上にある「Get started」をクリックします。
※既にWordPress.comアカウントを持っている場合は作成不要です。そのままログインしてください。
次に、画面上に表示されている、「こちらでも利用できます:日本語」というリンクをクリックすると、表示が日本語に切り替わります。以下のいずれかを使用してアカウントを作成します。
- Apple
- Fithub
- メールアドレス
アカウントが作成できると自動的にログインされ、サイト作成画面へ遷移します。
作りたいWebサイトの説明を入力して送信する
画面内の「作りたいサイトのイメージを教えてください。」と書かれた入力エリアに、希望するサイトのイメージを入力します。
今回は、以下のテキストを入力して、矢印マークをクリックしました。
次に、ページ作成に必要な情報を入力するようチャット形式で質問されます。今回のケースでは、以下について質問されました。
・どのようなサービスや強みを持った会社か、簡単に説明をお願いします。
・所在地(住所や市区町村など)を教えていただけますか?
質問に回答し、AIが提示する内容で問題がなければ「はい、サイトを作成します」をクリックします。
しばらく待つと、入力した内容を反映したWebページが生成されます。
レイアウト、配色、フォントを選択する
次に、細かな部分を修正します。画面左下に表示される「今すぐ編集する」をクリックします。
好みのレイアウトを選択した状態で「今すぐ編集する」をクリックします。同じように、配色、フォントを選択し、それぞれ「今すぐ編集する」をクリックします。
フォントを選択した後は、自由に要望を入力できる欄が表示されます。追加で変更したい内容があれば入力して変更します。ポップアップ左上のバツ(×)ボタンをクリックすると最小化されます。
コンテンツを修正する
生成されたWebページは、通常のブロックエディタと同じように編集したり、新規にブロックを追加することが可能です。必要に応じてコンテンツを修正します。
「サイトを公開」をクリックして公開する
公開できる状態になったら、画面右上の「サイトを公開」をクリックします。
公開を促すメッセージが表示されるので、「今すぐ編集する」をクリックします。
WordPress.comでドメインなどの設定がされていない場合は、そこからドメイン選択画面が表示されます。
「AI Website Builder」で注意すべきこと
「AI Website Builder」を使用する際には、生成AIは完璧ではないという前提の下でいくつか注意すべき点があります。
テキスト・画像などのコンテンツは必ず内容をチェックする
生成されたWebページに書かれているのは、あくまでも「それらしい」テキストであり内容の正確性や独自性は保証されていません。あくまでもサンプルとしてのテキストであると割り切って、全てのテキストをチェックし修正する必要があります。
画像に関しても、出所が明確でないため企業がそのまま使用するにはリスクがあります。著作権トラブルを回避するためにも、画像は自社で撮影したものか、使用許諾を得たものに差し替えたほうがよいでしょう。
リクエストは30回まで無料
無料プランでAIへのリクエストを利用できるのは30回までとなっています。ホスティングプランを購入すると無制限で使用できるようになります。
WordPress.comに限定した機能
「AI Website Builder」はWordPress.comが提供するサービスのため、WordPress.com内でしか使用できません。
少し複雑ですが、ホスティングサービスである「WordPress.com」とオープンソースのCMSであるWordPress(WordPress.org)は異なるので、注意が必要です。
参考:WordPress.orgとWordPress.comの違い
AIによるWebページ生成サービスが企業にもたらす未来は?
現時点で「AI Website Builder」は、WordPress.comに限定されたサービスとして提供されています。しかし、近い将来にはオープンソース版のWordPressにおいても、同様または類似の機能を備えたサービスが登場する可能性が高いと見られています。
このような技術の進展は、企業におけるWeb活用の在り方を大きく変える可能性を秘めています。
例えば、これまでコストや制作期間の制約からランディングページの作成を見送っていた企業でも、AIを活用することで、迅速かつ低コストでページを立ち上げることが可能になります。ターゲット別に複数のランディングページを使い分けるといった柔軟な運用も現実的になるでしょう。
さらに、従来は外部に委託していたWebページ制作を内製化することで、制作コストを削減し、その分のリソースをコーポレートサイトの強化や他のマーケティング施策に再投資することも可能になります。
今後、AIを活用したWeb制作は一層普及していくと予想され、企業にはこうした新技術を積極的に取り入れていくことで競争力を高めていくでしょう。
まとめ
WordPress.comが提供する新サービス「AI Website Builder」は、生成AIを活用してWebページを半自動的に作成できる機能を備えています。コンテンツの正確性や表現の一貫性といった課題は残るものの、従来の制作プロセスと比較して、作業負担の軽減や制作コスト・時間の大幅な削減が期待できます。
WordPress.comを利用している企業にとっては、積極的な活用が検討されるべきツールになるはずです。回数制限はありますが無料で試せるので、ぜひ一度、どのような用途で役立つかを確かめてみることをおすすめします。
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