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2022.07.06基礎知識

WordPressのPHPを安全にバージョンアップする手順

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社プレート 取締役

1985年北海道生まれ。200社以上のWordPressサイトの制作を担当し、「wp.support」では一部上場企業を含め、様々なサイトのWordPress保守・セキュリティをサポートしている。

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WordPressサイトを運営している中で、サーバーのPHPをバージョンアップしたいものの、バージョンアップによって不具合が生じる可能性を懸念し、バージョンアップできていない方は多く見られます。

しかし、PHPをアップデートしなければ、Webサイトの脆弱性が放置されたままになり、不具合の原因を作ることになりかねません。

安定したWebサイトを運用するためにも、PHPはこまめにバージョンアップを行うことが大切です。

本記事では、WordPressのPHPのバージョンアップをするメリットや方法、注意点について解説します。

WordPressのPHPのバージョンアップを長期間行っていない方は、ぜひ参考にしてください。

WordPressのPHPはバージョンアップ行う必要があるのか

結論から申し上げると、WordPressのPHPのバージョンアップを行うことを強く推奨します。なぜなら、PHPのバージョンが古いままだと、脆弱性があり、ハッキング等のリスクが高まるからです。

2022年6月時点で、WordPress6.0の推奨環境は、PHP 7.4以上のバージョンです。もし、自社サイトのPHPが7.4未満のバージョンである場合は、Webサイトのセキュリティ強化のためにもアップデートを行いましょう。

ただし、PHPのバージョンアップを行う際には、テーマやプラグインとの互換性を考慮する必要があります。

なぜなら、PHPを最新バージョンに更新することによって、WordPressに入れているテーマやプラグインが対応しておらず、Webサイトで不具合が生じる恐れがあるからです。

PHPの更新を行う場合には、必ずテーマやプラグインがそのバージョンに対応しているのかを確認した上で、更新を実行するようにしましょう。

WordPressのPHPをバージョンアップするメリット

WordPressのPHPをバージョンアップするメリットは、下記の通りです。

  • セキュリティ面が強化される
  • 重大な脆弱性などに対する公式サポートを受けられる
  • 表示速度が改善される

それぞれ順番に解説します。

セキュリティ面が強化される

PHPは、バージョンが更新されるごとにバグの修正や脆弱性の改善などが行われます。そのため、最新バージョンのほうがバグが少なくハッキング等のリスクを大幅に減らせるのです。

PHPが原因でハッキングが行われた場合、WordPressのプラグイン等での対策や対処が不可能であるため、必ず定期的にPHPの更新を行いましょう。

なお、古いPHPの場合は、PHPの公式サポート期間が終了しています。

2022年6月現在では、PHP7.3以前のバージョンはすべて公式サポートが終了しており、現在はPHP7.4、PHP8.0、PHP8.1の3つのバージョンが公式サポートの対象です。

公式サポートの対象となっているバージョンを利用することで、ハッキング等のリスクを軽減できる可能性があります。

そのため、上記の3つ以外のバージョンを使っている場合は、テーマやプラグインとの互換性を確かめた上でバージョンアップを行いましょう。

重大な脆弱性などに対する公式サポートを受けられる

先述した通り、PHPはバージョンによってサポート期限が決まっており、サポート期限が切れたPHPバージョンを利用することは、不具合やハッキングなどのリスクを高めてしまいます。

PHPのバージョンアップを行うことで、常にサポート期間内となっているPHPバージョンを利用でき、不具合やハッキングのリスクを最小限した状態でのWebサイト運営が可能になります。

なお、それぞれのPHPバージョンのサポート期間は、下記の公式ページにて確認できるため、今利用しているPHPバージョンのサポート期間が気になる方は確認しておくと良いでしょう。

PHP: Supported Versions

表示速度が改善される

PHPを更新することで、Webページの表示速度の改善が期待できます。特にPHPの5系を使っている場合、バージョンアップによって7系に切り替えた場合、大幅に表示速度が改善する可能性があるため、積極的に行うべきと言えるでしょう。

なお、最新のPHP8系では、新たなコンパイラであるJITが導入されました。JITでは、ソースコードをOpcodeに変えた後に、その次の過程でネイティブ言語に変換を行います。

これによって、過去に同じリクエストがあった場合は、その時に変換されたネイティブ言語を呼び出すため、高速処理が行われるのです。

このような性質から、PHP8系はWebサイトに再訪するユーザー体験を向上させることに貢献すると考えられます。

また、WordPressのWebサイトの表示速度を改善する方法として、高速化用プラグインの導入も手段の1つです。

WordPressのPHPをバージョンアップする前にやっておくべきこと

WordPressのPHPをバージョンアップをする前に、やっておくべきことは下記の通りです。

  • バックアップを取る
  • PHPの互換性を確認する
  • WordPress本体とテーマ・プラグインを最新バージョンにアップデートする

それぞれ順番に解説します。

バックアップを取る

PHPのバージョンアップ前に、まずやるべきことは、バックアップを取っておくことです。なぜなら、WordPressテーマやプラグインがPHPの最新バージョンに対応していない場合、PHPのバージョンアップによって不具合がWebサイトに起きてしまう恐れがあるからです。

事前にバックアップを取っておけば、たとえPHPのバージョンアップによってWebサイトに不具合が起きてしまっても、バックアップを用いて元の状態に復元できます。

なお、WordPressのバックアップを取る方法については、「BackWPup」をはじめとした、無料のプラグインで簡単に行えます。

PHPのバージョンアップを行う前には、これらを用いてバックアップを取っておきましょう。

PHPの互換性を確認する

PHPのバージョンアップを行う前に、WordPressが最新のPHPに対応しているのか、テーマやプラグインが対応しているのかを確認しましょう。

いずれかが対応していなかった場合、Webサイトのデザインの崩れや、機能の不具合の原因となってしまいます。

このような事態を防ぐためにも、WordPress本体はもちろんのこと、テーマやプラグインの対応PHPバージョンも確認しておきましょう。

WordPress本体とテーマ・プラグインを最新バージョンにアップデートする

古いバージョンのWordPress本体やテーマ、プラグインを使用している場合、最新のPHPのバージョンに対応していない可能性があります。

そのため、PHPのバージョンアップ前には、WordPress本体やテーマ・プラグインを最新バージョンにアップデートしておきましょう。また、最新バージョンにアップデートした後も、必ず最新PHPバージョンに対応しているのかを確認することが大切です。

先述した通り、PHP最新バージョンにWordPressやテーマ・プラグインが対応していることを確認してから、PHPのバージョンアップを行いましょう。

WordPressのPHPをバージョンアップする方法

ここからは、WordPressのPHPのバージョンアップをする方法を解説します。

PHPのバージョンアップ方法は、クラウドサーバーなどを利用する場合と、レンタルサーバーを使用する場合で異なります。ただし、クラウドサーバーを利用してPHPのバージョンアップを行う場合、下記の手順が必要です。

  • パッケージの更新やインストールが必要
  • サーバーの再起動が必要

上記の手順は、不慣れな方にとって技術的なハードルが高いため、比較的容易にPHPのバージョンアップを行える、レンタルサーバーを利用することを推奨します。

今回は、レンタルサーバー(Xserver)を基準に、PHPのバージョンアップの方法を解説します。

XserverでPHPのバージョンアップを行う方法は、下記の通りです。

  1. Xserverのサーバーパネルにログインする
  2. 「PHP」の欄から「PHP.ver」を選択
  3. PHPのバージョンアップを行うドメインを選択する
  4. PHPのバージョン切替で新しいバージョンを選択する
  5. 動作確認を行う

なお、動作確認を行った際に、エラーが起きた場合は、エラーログを確認しましょう。PHP5系で認められていた書き方が、7系ではエラーになるケースや、同様に7系で認められていた書き方が、8系でエラーになるケースがあります。

このようなケースがあることを踏まえて、プログラムの書き方がレガシーなものになっていないかを確認するとともに、ログを読みながら修正を行いましょう。

まとめ

本記事では、WordPressでPHPのバージョンアップを行うメリットや、バージョンアップを行う方法について解説しました。

Webサイトを安全に運営するためには、WordPressやテーマ、プラグインが対応している中でも、最新のPHPのバージョンを利用することが大切です。

ぜひ本記事を参考に、PHPのバージョンアップを実施してみてはいかがでしょうか。

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2022.07.05