プラグイン 2025.01.23

「All-in-One WP Migration」で引っ越しする方法をわかりやすく解説!

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社デジタルアイデンティティ Tech Div.マネージャー

WordPress専門サービス「wp.make」を立ち上げ、事業責任者として200社以上の大手上場企業のWordPressサイトの制作、保守・セキュリティをサポート。2022年にエンジニアを統括するTechnology Div.を創設。

【 展開しているサービス一覧 】
■WordPress開発サービス「wp.make
■WordPress保守/運用サービス「wp.support
■WordPressハッキング/緊急復旧対応サービス「wp.rescue
■WordPressバージョンアップ代行サービス「wp.versionup

WordPressの引っ越しは、開発知識が必要で初心者にはハードルが高い作業です。しかし、プラグイン「All-in-One WP Migration」を使うことで、開発知識がなくても移行作業ができるようになります。それだけでなく、手間がかかる引っ越し作業を効率化でき、設定ミスも予防できます。

サイトを別ドメインや別サーバーに引っ越したい場合や、ローカル環境で構築したWordPressを本番環境にアップしたい場合には、「All-in-One WP Migration」が大活躍します。本記事では、プラグインを使用してサイトをスムーズに引っ越しする方法を、図を交えながらわかりやすく解説します。

WordPressサイトの引っ越しが簡単ではない理由

Webサイトを引っ越しする場合、静的なHTMLサイトを引っ越しする場合と、WordPressサイトを引っ越しする場合では、手順が大きく異なります。

HTMLサイトの場合は、ファイルをコピーして引っ越し先のサーバー・ドメインへ保存するだけで完了します。しかし、WordPressサイトの場合は、データベース内にコンテンツデータや設定情報が保存されているために、データベースの移行も必要になり、手順も複雑です。

家の引っ越しに例えると、WordPressサイトの引っ越しは「自分で立てた家」に引っ越すイメージです。家(ドメイン)の中に家具・家電(ファイルや画像)をすべて運び込むだけでなく、生活に欠かせない電気やガス(データベース)の契約・設定も引っ越しごとに手続きをし直さなければいけません。

一方、HTMLサイトの場合は「会社の寮」に引っ越すイメージです。会社の寮の一室(ドメイン)に、必要な家具・家電(ファイルや画像)を運び込めば、基本的には引っ越しは完了です。電気やガスは最初から整っているため、面倒な手続きは不要です。

WordPressサイトの引っ越しが簡単ではない理由

WordPressの引っ越しの場合、これらの作業を全て手作業で行うのは大変ですし、作業ミスのリスクも高まります。そこで、「All-in-One WP Migration」プラグインを使って引っ越し作業をするのがおすすめです。

プラグイン「All-in-One WP Migration」とは

「All-in-One WP Migration」は、数クリックでWordPressを簡単に移行できる便利なプラグインです。非エンジニアを前提に開発されているため初心者にもやさしい操作感なのが特徴で、2013年に発表されてから6,000 万以上のサイトで利用されている引っ越しの定番とも言えるプラグインです。

有料版と無料版があります。有料版だとエクスポート先を選べるなど、より便利になりますが、無料版でも引っ越しに必要な機能は充分に提供されています。

「All-in-One WP Migration」を使ったWordPress移行の全体手順

「All-in-One WP Migration」を使った移行の手順は以下のとおりです。

移行作業前にやっておくべきこと

  1. WordPressを最新バージョンにアップデート
  2. セキュリティプラグイン/キャッシュプラグインの無効化
  3. PHPバージョンを合わせる(サーバー移行の場合)

メインの移行作業

  1. プラグイン「All-in-One WP Migration」のインストール
  2. 移行元WordPressのデータをエクスポート
  3. ドメインのDNS設定を切り替える
  4. 新規にWordPressをインストール(引っ越し先)
  5. プラグイン「All-in-One WP Migration」のインストール
  6. WordPressデータをインポート

移行作業後にやっておくべきこと

  1. パーマリンクの設定
  2. セキュリティプラグイン/キャッシュプラグインの有効化

メインの移行作業だけでなく、その前後にいくつかの作業があります。これらはトラブルが起きるリスクを減らすために必要な工程なので、ぜひ行っておくことをおすすめします。

具体的な内容については、次項で詳しく解説していきます。

【事前準備】移行作業前にやっておくべきこと

サイトの移行作業を行う前に、WordPresssのバージョンアップとセキュリティプラグインの無効化を行います。また、サーバー移行の場合には、PHPバージョンを移行前後のサーバーで同じかを確認しておきましょう。

WordPressを最新バージョンにアップデート

WordPressの移行作業においては、「移行元と引っ越し先の環境を揃えておく」ことが大原則です。WordPressやPHPのバージョンが一致していないと、移行作業が失敗することがあります。

WordPressはバージョンを合わせるために、どちらも最新バージョンにアップデートしておくと安心です。WordPress管理画面から「更新」を開いて最新バージョンであることを確認してください。

WordPressを最新バージョンにアップデート

また、レンタルサーバーの管理画面を確認し、作業前にPHPのバージョンも揃えておいてください。

ただし、長期間、WordPressのアップデートをしていない場合は、最新バージョンにアップデートすることで不具合が発生する可能性もあるので、必ずバックアップを取ったうえで実施してください。

WordPressのバージョンアップの手順については、以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

参考:【完全版】WordPressをバージョンアップする方法

セキュリティプラグイン/キャッシュプラグインの無効化

セキュリティプラグインやキャッシュプラグインは、移行作業時に予期せぬ挙動をする可能性があります。作業時に不具合が発生する危険があるため、これらのプラグインは一時的に無効化しておくことをおすすめします。

PHPバージョンを合わせる(サーバー移行の場合)

サーバー移行を伴う引っ越しの場合、PHPバージョンが異なると移行後に思わぬ不具合が発生する必要があるため、移行前後のサーバーでPHPバージョンを一致させておく必要があります。

移行元サーバーの管理画面にログインして対象ドメインのPHPバージョンを確認し、それに合わせて移行先サーバーのPHPバージョンも変更しておきましょう。なお、どこでPHPバージョンを確認できるかは異なりますので、確認手順がわからない場合は「(サーバー名) PHPバージョン確認」等で検索すると良いでしょう。

WordPressを移行する

ここからはWordPressの移行作業について解説します。

プラグイン「All-in-One WP Migration」のインストール

まず、引越し元のWordPressに「All-in-One WP Migration」をインストールします。

WordPress管理画面から「プラグイン」→「新規プラグインの追加」をクリックしてプラグイン名(All-in-One WP Migration)で検索します。該当プラグインをインストールした後、有効化します。

プラグイン「All-in-One WP Migration」のインストール

プラグインを有効化するとWordPress管理画面のメニューに「All-in-One WP Migration」が表示されます。

移行元のWordPressのデータをエクスポート

WordPress管理画面から「All-in-One WP Migration」→「エクスポート」を開きます。「エクスポート先」をクリックしてエクスポート先を表示し、「ファイル」を選択します。

移行元のWordPressのデータをエクスポート1

※「ファイル」以外の選択肢は、有料版のみ使用できるオプションです。

「(サイト名)をダウンロード」をクリックして、エクスポートファイルをダウンロードします。「.wpress」という拡張子のファイルがダウンロードされます。

移行元のWordPressのデータをエクスポート2

ドメインのDNS設定の切り替え(ドメインの管理画面)

対象ドメインを取得したレジストラの管理画面にログインします。

対象ドメインのDNS設定を新しいサーバーの設定に更新してください。

DNS設定の切り替え方法の詳細については、各レジストラによって方法が異なりますので、「(レジストラ名) DNS切り替え」などのキーワードで検索して、設定方法を確認してください。

なお、DNSが切り替わるまでには数時間〜48時間程度が必要になることに注意してください。また、DNSが切り替わってから以下の移行作業が完了するまでは、Webサイトが閲覧できない状態になりますので、DNSが切り替わったらすぐに作業するようにしましょう。

新規にWordPressをインストール(引っ越し先)

引っ越し先のWordPressを準備します。新しいドメインでWordPressをインストールします。契約しているレンタルサーバーのマニュアルを参考にして、WordPressをインストールしてください。

WordPressがインストールできたら、以下の設定がされているか確認します。

  • 最新バージョンへのアップデート(前述)
  • SSLの設定(WordPress管理画面「設定」→「一般」からhttpsへ変更する)

新規にWordPressをインストール(引っ越し先)

プラグイン「All-in-One WP Migration」のインストール

引っ越し先のWordPressにも、移行元WordPressと同じように「All-in-One WP Migration」をインストールします。

WordPressデータをインポート

エクスポートしておいたデータを、引っ越し先WordPressからインポートします。

WordPress管理画面から「All-in-One WP Migration」→「インポート」を選択します。「インポート元」をクリックして、インポートするデータ(=事前にエクスポートしておいたデータ)を選択します。

WordPressデータをインポート

インポート中の画面が表示されるため、終了するまで待ちます。

「インポート処理によりサイトのデータが上書きされます」という趣旨のメッセージが表示されます。「開始」ボタンをクリックします。

完了メッセージが表示されたら、「完了」をクリックします。

<重要>
移行作業ではログインIDやパスワードなどの情報も全て移行するため、引っ越し後のサイトにログインする際は、移行元サイトのID・パスワードでログインしてください。

移行作業後にやっておくべきこと

サイトの移行作業が完了した後に、パーマリンク設定の更新、旧ドメインからのリダイレクト設定、Google Analyticsの設定の3つは必ず設定するようにしましょう。また、。作業前にセキュリティプラグインを一時的に無効化した場合は、忘れずに有効化するようにしましょう。

パーマリンク設定の更新

WordPress管理画面から「設定」→「パーマリンク設定」を確認し、移行元サイトと同じ設定に変更します。

セキュリティプラグイン/キャッシュプラグインの有効化

事前にセキュリティプラグイン/キャッシュプラグインを無効化していた場合は、セキュリティプラグインを有効化します。

インポート容量が足りずにエラーになる場合の対処法

データをダウンロードする際には、表示されているファイルサイズに注意してください。
インポート時に表示される「最大アップロードサイズ」よりファイル容量が小さいと、インポートする際にエラーになります(最大アップロードサイズはサーバーによって異なります)。

メディアファイルを除外してエクスポートする

ダウンロードするファイルのサイズが大きい場合は、メディアファイル(画像など)を除いてエクスポートし、除外したファイルは別途手作業で移行する手順で行ってください。

メディアファイルを除いてエクスポートするには、ファイルをエクスポートする際に「高度なオプション」をクリックして展開してから「メディアライブラリをエクスポートしない」にチェックを入れます。

メディアファイルを除外してエクスポートする

【メディアファイルの移行方法】

  1. FTPツールでWordPressを保存しているディレクトリにアクセスし、「wp-content」内にある「uploads」フォルダの中身をダウンロードします
  2. 引っ越し先WordPressが保存されているディレクトリにアクセスし、「wp-content」内にある「uploads」フォルダの中にアップロードします

それでもファイル容量が減らない場合は、「スパムコメントをエクスポートしない」「投稿リビジョンをエクスポートしない」など、エクスポートしなくても問題ないデータにチェックを入れて、適宜除外してください。

「.htaccess」ファイルを編集して容量を上げる

「.htaccess」ファイルはサーバーの動作を制御するファイルです。

このファイルを編集することでアップロードするファイルの容量を引き上げることができます。

作業自体はコピー&ペーストのみなので簡単ではありますが、非常に重要なファイルであり、誤った編集をしてしまうとサイトが見れなくなる可能性もありますので、編集前には、必ずバックアップを取得してから編集をおこなうようにしましょう。

  1. FTPソフトなどでサーバーにアクセスし、対象ドメインの「wp-contents」フォルダが配置されているディレクトリを開きます。
  2. 「.htaccess」ファイルを開きます。
    (「.htaccess」は隠しファイルですので、表示されない場合は「隠しファイル 表示 (使用中のツール名)」などで検索して表示方法を探してみてください)
  3. 以下のコードを「.htaccess」ファイルの一番上に記述します。(編集前に必ずバックアップしてください)
  4. 「.htaccess」を保存します。

これで「.htaccess」の編集は完了です。

正しく設定が反映されていれば、WordPressの管理画面から【All-in-One WP Migration】の【インポート】画面を開き、「最大アップロードファイルサイズ」が2GBになっています。

まとめ

WordPressの引っ越しは手作業だと大変ですが、プラグイン「All-in-One WP Migration」を使えばスムーズに行えます。このプラグインは無料版でも十分な機能を備えており、操作も簡単です。サイトの引っ越しを検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてインストールしてみてください。

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