セキュリティ 2024.06.28

スパムとは?見分け方や迷惑メール・SNSの被害事例、対策方法を解説

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社e2e 取締役 / CTO

1985年北海道生まれ。
200社以上の大手上場企業のWordPressサイトの制作、保守・セキュリティをサポートしている。

【 展開しているサービス一覧 】
■WordPress開発サービス「wp.make
■WordPress保守/運用サービス「wp.support
■WordPressハッキング/緊急復旧対応サービス「wp.rescue
■WordPressバージョンアップ代行サービス「wp.versionup

キャリアメールやGmailに送信される大量の迷惑メール。
スパムメールや単にスパムと呼ばれることもありますが、現在ではメールだけでなくSNSなどにも被害が拡大しています。

今回は、スパムの由来から最新の手法、スパムの被害に遭わないための注意点等を詳しく解説していきます。
「自分は大丈夫」と思わずに、安全のためにもぜひ一度目を通して見てくださいね。

スパムとは

スパムとは、不特定多数・無差別的に大量のメールやコメント・メッセージを送信する「迷惑行為」のことをいいます。

また、スパムを大量に送りつけてくる人たちを「スパマー」と呼びます。
元々は、大量の迷惑メールを送りつけてくるのが一般的でした。
今ではスパムの対象はSNSやブログにまで拡大し、いつ被害にあってもおかしくない状態です。

スパムの種類はさまざまで、中には端末をウイルス感染させて勝手にスパムを送信する「踏み台攻撃」を行うものもあります。
このように、知らず知らずのうちに加害者になってしまうリスクもあるため、注意が必要です。

スパムの由来

スパムという言葉の由来は、日本でもおなじみの食品「スパム缶」が由来になっています。
スパムが迷惑行為を意味するようになった由来は、イギリスのコメディーグループである『モンティ・パイソン』が登場するテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』で行なったスケッチコメディー。

モンティ・パイソンが行なったコメディの中で、レストランの客が「スパム・スパム・スパム…」と連呼するシーンがあり、店員が迷惑しているところから「迷惑行為=スパム」を意味するようになりました。

参考映像:モンティ・パイソン「スパム」

スパムの種類

以下のようにスパムは大きく3つの種類があります。

  • 迷惑メール
  • SNSスパム
  • スパムコメント

以下解説していきます。

迷惑メール

不特定多数を対象に大量のメールを送りつける行為です。

迷惑メールには、次のような種類があります。

種類 内容
架空請求メール 利用したことのないサイトやサービスから料金を要求される
ウイルスメール URLや添付ファイルを開くとウイルス感染のおそれがある
広告メール 出会い系サイトやアダルトサイトなど望まない広告が表示される
詐欺メール さまざまな手口で個人情報や金銭を要求する
なりすましメール 実在する企業や人物を装って個人情報や金銭を要求する
チェーンメール 「転送しないと不幸になる」など転送させることが目的

近年迷惑メールも巧妙になり、新型コロナウイルスなど時事ネタや流行を利用したものや、実在する企業やサービスを装ったものなどさまざまあるため、注意が必要です。

SNSスパム

SNSスパムはTwitterやFacebook、LINEなどで行われる迷惑行為です。

次のような内容の投稿やコメント、DMなどを見かけたら、SNSスパムの疑いがあります。

  • ネットで簡単◯◯万円ゲット!
  • 今なら◯◯%オフ!
  • 今なら無料◯◯診断!
  • 友達登録で◯◯プレゼント
  • アダルトサイトへの誘導

SNSを使ったスパムはさまざまで、ネットビジネス商材をすすめるもの、高額な商品が格安で買えるなどと謳ったものなどがあります。

最近では、「DMで副業に誘われてURLをクリックしたらウイルス感染した」「診断ツールを安易に使って個人情報が抜き取られたなどのケースが見られます。

参考:Twitterでのスパム行為とプラットフォームの操作に関するリマインダー

スパムコメント

スパムコメントは、ブログや掲示板・質問投稿などに対して行われる迷惑行為です。

記事に全く関係のないコメントや広告を投稿してきます。

スパムコメントは広告などの他サイトへの誘導が多く、サイトの評価を他のサイトに与えてしまっているような状態です。

また、スパムコメントが多く投稿されてしまうと、治安のよくないサイトだと判断されてしまい、評価は下がりユーザーが離れていってしまいます。
他のユーザーがスパムコメントの罠にかかってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

スパムによる被害事例

スパムによる被害事例を、3つご紹介します。

宅配便の不在通知を装ったメールが届く

宅配業者を装って不在通知を送るスパムが多く見受けられます。
特にSMS(ショートメッセージ)で送信されることが多いです。

メッセージ内の偽サイトにアクセスし、不正なアプリをダウンロードすることで、同様のスパムが送信されるようになってしまったという事例が報告されています。

また、同じく偽サイトにアクセスしてIDやパスワードを入力したため、キャリア決済を不正利用されてしまった事例も。

SMSやメールで不在通知が来ても、記載されているURLを安易にクリックしないようにしましょう。

参考:宅配便業者を装った「不在通知」の偽SMSに注意しましょう

アプリの連携によるスパムツイート

Twitterで、「私のTwitterの価値は」というスパムツイートを投稿するユーザーが増えています。

ツイートのリンクにアクセスしアプリと連携すると、勝手にツイートやフォロー・アンフォローをされる危険性があります。

アプリを連携する際は、連携によってどんな権限が許可されるのかをしっかり確認します。
そもそも、容易にアプリを連携しないのも有効な予防策です。

アプリの連携によるスパムツイートの被害に遭ってしまったら、Twitterの設定からアプリの連携を解除しましょう。

参考:【Twitter】「私のTwitterの価値は」スパムが勝手にツイートする時の連携解除方法について

筆者の体験:通信キャリアを装ったSMS

これは筆者の体験ですが、実際に契約している通信キャリアを装ったSMSが届いたことがあります。

筆者の体験:通信キャリアを装ったSMS

一見、日本語も不自然ではなく、本当に未納があるのかと焦りました。
しかし、送信元が携帯電話の番号だったこと、普段受信している本物の番号と異なることからスパムだと分かりました。

普段から利用しているサービスからの連絡でも、必ず送信元は適正か確認する癖をつけましょう。

スパムが届く原因

では、スパムはどうして届いてしまうのでしょうか。
スパムが届く主な原因を、3つ紹介します。

アドレス収集者によるもの

アドレス収集者が何らかの方法で集めたアドレスをリスト化し、スパマーがリストを入手して送信します。

アドレス収集の方法としては、次のようなものがあります。

  • アルファベットや数字をランダムに並べる
  • ブログやSNSのコメント欄からアドレスやアカウントを収集する
  • ウイルスによる収集 など

アドレスが漏えいした

公的機関や使用しているサービスのサーバーがハッキングされ、アドレスが漏えいしてしまうこともあります。

Firefox Monitorという無料のツールでは、自分のメールアドレスの漏えいを確認できます。
過去に起きた企業のデータ漏えい事件の被害対象の中に、自分のアドレスやパスワードが含まれているかをチェックします。
漏えいしていた場合は、アドレスやパスワードを変更しましょう。

アンケートや懸賞などで個人情報を登録した

無料のプレゼントがもらえるアンケートや懸賞などで個人情報を登録すると、スパムに流用されてしまうリスクがあります。

スパムでなくても、営業のメールや電話が頻繁に来るようになるかもしれないため、特に開催元が不明瞭なアンケートや懸賞の応募には注意が必要です。

スパムを受け取らないためのの対策

スパム対策を行うことで、悪質なメールやコンテンツに触れることがなくなり、被害を防げるようになります。

簡単に対策できるものばかりですので、実践してみてください。

セキュリティソフトを使う

セキュリティソフトを導入することで、スパムの可能性のあるメールをブロックできます。
さらに、誤ってスパム内のリンクをクリックしてしまっても、セキュリティソフトがサイトの安全性を評価し、危険なサイトは警告してくれます。

悪質なウイルスはスパム以外にも、アプリやリムーバブルメディアなどさまざまな経路から侵入する可能性があるので、セキュリティソフトでPCやスマホの安全を守りましょう。

以下に無料のセキュリティソフトをあげたので、参考にしてみてください。

迷惑メールフィルタを設定する

各通信キャリアやメールサービスには、迷惑メールフィルタ機能が実装されています。

なりすましやフィッシングなどを判断し、自動的に迷惑メールフォルダに振り分けます。
さらに、指定したドメインやアドレスからの受信を拒否するなど、設定を細かくカスタマイズすることも可能です。

開発者が不明なサービスを使用しない

開発元や発信元が不明なサービスを利用しないことで、個人情報の漏えいを防ぐことができます。
「〇〇診断」や「似ている〇〇」などの診断系と連携することで、相手に情報の閲覧権限を与えてしまい、個人情報の漏えいやスパムの対象になってしまう可能性があります。

診断などSNSアカウントと連携するサービスを使う場合は、どんな権限を許可するのか、どんなリスクがあるかを知った上でインストール・連携を行いましょう。

コメントやフォームの画像認証を行う

サイトやブログなどを運営している場合は、コメントやフォームに画像認証を設定することでスパムを軽減できる可能性があります。

画像認証がスパム対策に有効な理由は、スパムを広めるコンピュータプログラム「スパムボット」が、画像認証を突破できないからです。

画像認証で一般的なのはGoogleが提供する「reCAPTCHA」で、「私はロボットではありません」というチェックボックスにチェックを入れたり、指定された画像を選択したりといった方法で認証を行います。
「reCAPTCHA」
新しいバージョンでは、ユーザーが操作しなくても、AIが人間かボットか自動で判断します。

スパムが届いた時の対処法

いろいろな対策をしていても、スパムが届いてしまうことはあります。
スパムを受け取った時は、開封せずに各所へ報告し、同じアドレスから受け取ることのないよう対策するのが基本です。

不審なメールは開封しない

先述したスパムの特徴に当てはまるメールは、不用意に開封しないようにしましょう。
スパムの中には、メールを開封したことが送信元に通知されてしまうものや、開封しただけでウイルス感染してしまうものもあります。

送信者をブロックする

送信者をブロックして、同じアドレスからスパムが届くのを防ぎます。
1つのアドレスをブロックしても、アドレスを変えて同じような内容のスパムが何度も送られてくることもあるため、フィルタリングで不審なアドレスからのメールやメッセージを一括で防ぐのも有効です。

各所に報告する

迷惑メールの場合は、お使いの通信キャリアや迷惑メール相談センターへ報告します。
届いたメールを指定されたアドレスに転送することで、報告ができます。

SNS上のスパムの場合は、運営へ報告します。
スパムと思われるコメントやDMを選択し、「報告」ボタンを押して完了です。

スパムを削除する

スパムのブロックや報告が完了したら、削除することを推奨します。
そのままにすると、どんな悪影響があるか分からない上に、誤って開封してしまう恐れもあるからです。

スパムのファイルやURLを開いてしまった時の対処法

ここまで気をつけていても、スパムだと気が付かず、ファイルやURLをうっかり開いてしまうかもしれません。
被害を最小限に食い止めるためにも、早急に対処が必要です。

スパムの添付ファイルを開いてしまった時の対処法

1.セキュリティソフトでスキャンを行う

セキュリティソフトのスキャンを行い、ウイルス感染の有無を確認します。
感染したマルウェア名が判明したら、トレンドマイクロが公開している脅威データベースで対処法を確認することもできます。

2.端末をオフラインにする

情報の流出を防ぐために、端末をオフラインにしましょう。
取り急ぎ、機内モードに設定して一時的にオフラインに切り替えます。
その後、PCならWi-Fiの接続を切るまたはLANケーブルを外す、スマホならWi-Fiの接続とモバイルデータ通信をオフにします。

3.窓口に相談する

セキュリティソフトの窓口で、その後の対処法を相談します。
金銭的な被害が疑われる場合は、各都道府県に設置されたサイバー犯罪相談窓口にて相談できます。

もしも、会社のパソコン・携帯などで開いてしまった場合には、早めにシステム担当者に報告・相談しましょう。早ければ早いほど、会社としても対応がしやすくなります。

影響範囲を確かめてから、被害が出ないかもしれないから、と報告を躊躇していると取り返しのつかない事態に進展してしまうかもしれません。

URLを開いてしまった時の対処法

1.個人情報を入力してしまったら早急に対処を

リンク先でパスワードやクレジットカード情報などを入力してしまった場合は、早急に対処が必要です。
パスワード変更やクレジットカードの停止など、情報や金銭を不正に利用されないように手続きを行いましょう。

2.サイトの安全性をチェックする

セキュリティ対策ツールでサイトの安全性をチェックします。
トレンドマイクロのSite Safety Centerなど、ブラウザで使える無料のチェックツールもあります。

3.同様のスパム被害事例がないか確認する

メールの件名や内容についてWebで検索し、似たようなスパム被害の事例がないか確認します。

企業を装ったスパムの場合、公式ホームページで「当社を名乗る詐欺メールにご注意ください」など、注意喚起が掲載されていることが多いです。
ただし公式ホームページへは、企業名を検索する、ブックマークから飛ぶなどの方法でアクセスしてください。
受信したメールに記載されているURLからアクセスするのは厳禁です。

4.セキュリティソフトでスキャンを行う

怪しいURLを開いたことで、ウイルスに感染してしまうリスクもあります。
必ずセキュリティソフトでスキャンを行い、ウイルス感染の有無を確認しましょう。

ウイルスに感染してしまった場合は、「添付ファイルを開いてしまった時の対処法」と同じく端末をオフラインにし、窓口に相談します。

まとめ

今回は、スパム(迷惑行為)について解説しました。

スパムの種類や事例・対策について解説していきました。
迷惑メールボックスをみたら、たくさんの迷惑メールが入っているかもしれません。

メーラーで弾けている部分に関してはまだいいのですが、新着にあったものを間違って開いてしまうこともありえます。
不審なメールではないか・宛名が不明ではないか確認してからメールを開封するだけでも被害にあう可能性を減らすことができます。

あなた自身が加害者になってしまわないように、しっかりとした対策を行いましょう。

また、WordPressサイトを運営している方の場合、お問い合わせフォームを設置したことで大量のスパムメールが届いて困る、という場合もあります。
こうしたお問い合わせフォームへのスパム対策については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

WordPressの「Contact Form 7」プラグインのスパム対策はこちら

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