「WordPressのローカル環境が欲しい!」
と思った時、エンジニアならXAMPPやMAMPで簡単に構築できるでしょう。
ただ、これらのツールはサーバーの知識がない人からすると、構築手順が難しそうで敬遠されがち。
しかし、非エンジニアのWebデザイナーや一般企業のWeb担当者の人でも、ローカル環境を作りたい場合はあるでしょう。
「サーバーの知識はないけど、簡単にローカル環境を構築したい!」
そんな方にオススメなのが、今回ご紹介する「Local」です。
実際、弊社の非エンジニアのWebディレクターも、「Local」を使って10分かからずにローカル環境を作成し、その簡単さに感動していました。
この記事では「Local」のインストールからローカル環境構築までの手順を解説していきます!
この記事の目次
「Local」のインストール手順
まずは、Localのダウンロードとインストール手順から見ていきましょう。
まずは、Localの公式サイトにアクセスします。
左下にある「FREE DOWNLOAD!」というボタンをクリックします。
1.「Local」をダウンロード
「Mac」と「Windows」から、希望するOSを選択します。
下の入力項目は「Work Email」(仕事で使うメールアドレス)だけ入力すればOKです。
(以前は、「WordPressで管理しているサイトの数」という項目も必須でしたが、最近の更新で入力欄が削除されました)
入力を完了して「GET IT NOW!」ボタンをクリックすれば、Localのダウンロードが開始されます。
以下ではMac版を例に見ていきますが、Windows版でも手順はほぼ同じです。
2.「Local」をインストール
ダウンロードしたファイルは圧縮されているので解凍し、アプリケーションフォルダに移動します。
Localのアイコンをダブルクリックすると、下記の画面が表示されます。
特に入力の必要はなく。「LET’S GO!」ボタンを押すとインストールが始まります。
インストールに若干の時間がかかります。
ローカル環境構築にかかる10分間の中で一番長いのが、このインストールの待ち時間です。
インストールが止まる場合は?
途中でインストールが止まり、ソフトウェアの読み込みに許可を与える必要がある場合があります。
その場合、「システム環境設定」を開き、「セキュリティとプライバシー」をクリック。
「許可」ボタンをクリックすると、インストールが再開します。
Windows版の場合、ユーザーアカウント制御画面やPCによっては再起動が必要になることもあります。
基本的には指示の通りに作業していけば問題ありません。
ローカル環境の構築手順
ここからは、実際にローカル環境を構築する方法になります。
WordPressサイトをセットアップ
インストールが終了すると、自動的に管理画面が表示されます。
「CREATE A NEW SITE」をクリックします。
サイト名の設定
サイト名の入力画面が表示されます。
好きな名前を入力して、「CONTINUE」をクリックします。
なお、入力欄の下にあるOPTIONをクリックすると、ドメイン名やWordPressを設置するフォルダの場所等を設定することができます。
よくわからなければ、デフォルトのままで構いません。
サーバー・データベースの設定
次にサーバーやデータベースの設定を行います。
特に指定がない場合は、「Preferred」のままで、「CONTINUE」をクリックで大丈夫です。
Local側で”いい感じ”の設定をしてくれます。
テスト元のサイトなどがあって、指定したい場合は「Custom」をクリックすれば、以下の項目を設定できます。
- phpのバージョン(初期設定は7.17)
- Webサーバーの種類(初期設定はnginx + Varnish)
- MySQLのバージョン(初期設定は5.6)
WordPressの設定
WordPressにログインするための「ユーザー名」と「パスワード」を指定します。
WordPress Emailはデフォルトのままで問題ありません。
オプションでマルチサイトの設定ができます。
「サブディレクトリ」、「サブドメイン」どちらも対応可能なので、必要に応じて設定します。
よくわからなければ、スルーでOKです。
入力が完了すれば、右下にある「ADD SITE」ボタンをクリックします。
WordPressサイトにアクセスしよう
おめでとうございます!
以下の画面が表示されれば、ローカル環境構築は完了です!
スムーズに行けば、初めての方でも10分前後で簡単にローカル環境を作ることができます。
「VIEW SITE」ボタンを押せば、今立ち上げたサイトがブラウザで確認できます。
サイトURLは「http://サイト名.local」になります。
管理画面を見たい場合は、Localの管理画面から「ADMIN」ボタンを押すか、サイトURL(http://サイト名.local)の後に「/wp-admin」とつけます。
「Local」の基本的な使い方
WordPressの管理画面からサイトの設定・更新する
管理画面のURL(http://サイト名.local/wp-admin)にアクセスすると、下のようなログイン画面が表示されます。
「WordPressの設定」の項目で設定したユーザー名とパスワードでログインします。
ログイン直後は言語が英語に設定されていますので、管理画面から変更しておくとよいでしょう。
「Setting(設定)」→「General(一般)」をクリックし、「Site Language(サイト言語)」の項目で日本語を選択します。
ついでにすぐ下のTimezoneの項目もTokyoにしておきましょう。
(記事投稿時間などに関係します。)

画面下部の「Save Changes」ボタンをクリックして変更を保存すると、日本語になります。
ファイルを直接編集する
single.phpなどのテンプレートファイルを直接編集することもできます。
Localのサイト名の下にファイルのパスがあり、右側の矢印マークをクリックするとそのディレクトリを開いてくれます。
なお、デフォルトでは下記の位置に格納されています。
- Macintosh HD/ユーザ/(ユーザー名)/Local Sites/(サイト名)/app/public/
上記にWordPressのファイルが展開されています。
ここから、phpやcssのファイルをテキストエディターなどを使って編集します。
既存のWebサイトの中身を移管する
WordPressファイルを移管する
現在稼働中のWebサイトと置き換えたい場合は、以下の手順で実施できます。
- FTPソフト等で稼働中のWordPressの構成ファイルをダウンロード
- 「/Local Sites/(サイト名)/public/」以下のファイルを全て削除
- 削除したファイルの代わりに、ダウンロードしたファイルを流し込み
これでWordPressのテーマやプラグインのデータが移しかえられました。
ただ、投稿ページや固定ページなどの記事データも移す場合は、データベースからデータを移管する必要があります。
記事等のデータを移管する
まず、既存サイトのWordPress管理画面に入り、次の手順で記事データをエクスポートします。
- 管理画面のツールからエクスポートをクリック
- すべてのコンテンツにチェックが入っていることを確認
- 「エクスポートファイルをダウンロード」をクリック
次に、Localで立ち上げたサイトのWordPress管理画面に入り、次の手順で記事データをインポートします。
- ツールからインポートをクリック
- WordPressの下の「今すぐインストール」をクリック
- インストール完了後、インポーターの実行
- 先ほどエクスポートしたファイルを選択し、「ファイルをアップロードしてインポート」をクリック
これでテンプレートファイル、投稿記事データともにLocal環境へ移管完了です。
SSLを設定する
LocalではSSL設定も、以下の手順で簡単に行うことができます。
SSL設定を行いたいサイトをクリックし、「SSL」のタブをクリックします。
「Certificate」という項目の「TRUST」というボタンをクリックします。
少しわかりづらいですが、「TRUST」が「TRUSTED」に変わっていればSSL設定は完了です。
サイトにアクセスして、URLに「https://」をつけて確認すると、SSL設定が完了していることがわかります。
サイトを追加する
新しいサイトを追加したい場合は、右下の「+」ボタンをクリックします。
サイト名の設定画面が開きますので、一つ目のサイトを登録した時と同じ手順で登録します。
サイトのストップ
Localを使ってサイトをホストするために、CPUを使用しています。
そのため、必要のない時はサイトを止めておきましょう。
サイトをストップするには、Localアプリを閉じるか、
サイトの管理ページの右上の「STOP SITE」ボタンをクリックします。
サイトを再び使用する場合には、同じ場所に「START SITE」ボタンがあるので、こちらをクリックします。
Localを終了して、再び立ち上げた場合も、使用したいサイトの「START SITE」ボタンをクリックする必要があります。
サイトを削除する
削除したいサイトにカーソルを合わせ右クリックをします。
現れるメニューの一番下に「Delete」があるのでクリックすると確認画面が表示されます。
チェックを入っている状態だと、PCに保存されているファイルも一緒に削除します。
チェックを外すと「Local」上とデータベース上からは削除されますが、ファイルは残ります。
基本的には、チェックが入ったままでOK。
何らかの理由でファイルだけ残したい場合はチェックを外しておきましょう。
「Local」でローカル環境を使いこなそう!
今回は簡単にローカル環境を構築できる「Local」のインストール方法と基本的な使い方を解説しました。
ローカル環境を使えば、テストサイトとして使ったり、新しいテーマやプラグインを安全に試すこともできます。
何より、失敗しても大丈夫というのが嬉しいところ。
テストをしたい時などは、ぜひ「Local」を試してみてくださいね!

WordPressスペシャリスト・エンジニア
株式会社e2e 取締役
1985年北海道生まれ。200社以上のWordPressサイトの制作を担当し、「wp.support」では一部上場企業を含め、様々なサイトのWordPress保守・セキュリティをサポートしている。