セキュリティ 2025.11.12

WordPressでログイン履歴を確認する2つの方法を解説。サンプルコードあり

この記事を書いた人

土井 純也

WordPressスペシャリスト・エンジニア/株式会社デジタルアイデンティティ Tech Div.マネージャー

WordPress専門サービス「wp.make」を立ち上げ、事業責任者として200社以上の大手上場企業のWordPressサイトの制作、保守・セキュリティをサポート。2022年にエンジニアを統括するTechnology Div.を創設。

【 展開しているサービス一覧 】
■WordPress開発サービス「wp.make
■WordPress保守/運用サービス「wp.support
■WordPressハッキング/緊急復旧対応サービス「wp.rescue
■WordPressバージョンアップ代行サービス「wp.versionup

「WordPressに不具合が発生した」
「不正アクセスを受けた可能性がある」

そんな時はログイン履歴を確認することが有効です。

ただ、ログイン履歴をどうやって確認すれば良いか、ご存じない方も多いと思います。
そこで、今回はWordPressのログイン履歴を確認する方法を解説。functions.phpに追加するだけで、管理画面内でログイン履歴を確認できるサンプルコードも紹介します。

ログイン履歴の確認が必要な理由や、第三者からのログインを防ぐセキュリティの強化方法もまとめているので、ぜひご覧ください。

WordPressでログイン履歴を確認するべき理由

まずは、WordPressのログイン履歴を確認することで何がわかるのか?
ログイン履歴を確認するべき理由について見ていきましょう。

不正アクセスを早期発見するため

WordPressに限った話ではありませんが、システムやネットワークは常に不正アクセスの危機に晒されています。Webサイトの場合、不正アクセスの被害に遭うことで、悪質なサイトへの外部リンクが勝手に貼られてしまったり、メール送信機能の悪用によりスパムメールを送信されてしまったりする恐れがあります。

WordPressは適切に運用すれば高いセキュリティ水準を保てますが、ユーザー数が多いことから攻撃者に狙われやすいという実態があります。

ログイン履歴を確認する習慣があれば、万が一海外IPからのアクセスや深夜帯の不審なアクセスがあっても素早く察知でき、適切な対処をすることが可能です。

WordPressの不正アクセスを調査する方法とその対策を徹底解説

複数ユーザーの操作状況を把握するため

ログイン履歴を確認する習慣は、万が一トラブルが起きた際の対処として有用です。

複数ユーザーでWebサイトを運用している場合、ログイン履歴を確認できる仕組みを導入しておけば、「誰が・いつ」ログインしたかを明確にできます。社内の運用メンバー同士はもちろん、サイトの運用に社外の制作会社やWebライターなどが関わっている場合、責任範囲を明確にすることができるのです。

トラブル発生時の原因を特定するため

ログイン履歴を確認する理由は、トラブル発生時の責任範囲を明確にすることだけに留まりません。例えばエラーやレイアウト崩れなどが起きた際に、ログイン履歴を確認することで、なんらかの作業が行われたタイミングを追跡することも可能です。

作業のタイミングから、その時間帯にWordPressを使用していたユーザーを特定すれば、トラブルの原因を突き止めたり、復旧の足掛かりにしたりできます。

コンプライアンスや監査に対応するため

こちらはログイン履歴の確認というよりも、確認のために行う「保存」という手段が重要です。

サイトの性質によっては、個人情報保護法や内部統制の観点から「誰が」「いつ」「どこから」アクセスしたかという情報を記録しておくことが求められます。ログイン履歴を一定期間保存することで、このアクセス記録保持の要件を満たしやすいため、履歴の確認と並行して実施することが推奨されます。

1.プラグインを使用してログイン履歴を確認する方法

ここからは、実際にWordPressのログイン履歴を確認する方法を解説していきます。最初に解説するのは、プラグインを使用する方法です。

なお、この後プラグインを使用せずログを確認する方法もご紹介しますが、そちらはサーバーの知識が必須なので、WordPress初心者はプラグインを使用する方法をおすすめします。

1.プラグインをインストールする

はじめに、ログイン履歴を確認できる機能が備わったプラグインをインストールします。今回の解説では「SiteGuard WP Plugin」を使用します。

公式サイトから直接インストールするか、もしくは管理画面にログインし、「プラグイン>プラグインを追加」から検索してインストールしてください。

プラグインをインストールする

2.WordPressの管理画面にログインする

続いてプラグインを有効化するために、管理画面にログインします。管理画面から検索してプラグインをインストールした場合はそのままで問題ありません。

公式サイトからインストールした場合は「プラグイン>インストール済みプラグイン」からプラグインを有効化します。

WordPressの管理画面にログインする1

管理画面から検索してインストールした場合は「今すぐインストール」ボタンが「有効化」に変わっているので、そこをクリックします。

WordPressの管理画面にログインする2

3.ログイン履歴を選択する

正しく有効化できると、メニューに「SiteGuard」の項目が追加されます。クリックして進み、「ログイン履歴」を選択すると、ログインがあった日時やログイン名、IPアドレスなどを確認できます。

ログイン履歴を選択する1

ログイン履歴を選択する2

2.functions.phpを使用してログイン履歴を取得する方法

もう1つ、プラグインに頼らない方法として、functions.phpを使用する方法をご紹介します。

こちらはfunctions.phpのファイル内に、以下のコードを追加するだけです。

これにより管理画面の「ツール>ログイン履歴」から

  • ユーザー名
  • IPアドレス
  • 使用デバイス/ブラウザ
  • ログイン時刻

が確認できるようになります。

functions.phpを使用してログイン履歴を取得する方法

functions.phpにコードを追加するには、WordPressの管理画面から「外観 > テーマファイルエディタ」で編集したり、FTP接続して直接編集するといった方法があります。

ただし、functions.phpはサイト全体に影響があるファイルなので、操作の前には必ずバックアップを取得してすぐに戻せるようにしておきましょう。知識がなくて不安な場合は、エンジニアに依頼することも検討してください。

詳しくは、以下の記事もあわせて参照してください。
意外と簡単!自作のWordPressテーマの作り方から適用までを解説

WordPressでログイン履歴を確認できるおすすめプラグイン

WordPressでログイン履歴を確認できるようにするためのプラグインは複数ありますが、今回は2つ、おすすめのものをご紹介します。

SiteGuard WP Plugin:総合的なセキュリティ対策をしたい方向け

先ほど名前だけ挙げた「SiteGuard WP Plugin」は、ログイン履歴の確認以外にも広いセキュリティ対策が可能となっており、中でもログイン攻撃に特化しています。

SiteGuard WP Plugin:総合的なセキュリティ対策をしたい方向け

  • ログインしていないユーザーからの管理画面へのアクセスをブロックする
  • ログインページのURLを変更する
  • 指定回数、ログインに失敗したIPアドレスを一定時間ブロックする
  • ログインがおこなわれた際に、ログインユーザーにメールで通知する

他にも複数の機能が備わっているので、ログイン履歴の確認に加えて総合的なセキュリティ対策をしたい方におすすめです。

SiteGuard WP Pluginの公式サイトはこちら

User Login History:ログイン履歴だけ確認したい方向け

User Login History:ログイン履歴だけ確認したい方向け
「User Login History」は、ログイン履歴の確認に特化したプラグインです。ログインに関するさまざまな内容を確認でき、以下がその一例です。

  • ログイン・ログアウト日時
  • 最終閲覧日時
  • ログインステータス(ログイン/ログアウト/失敗)
  • ユーザーID
  • ユーザー名
  • IPアドレス
  • 国名・国コード
  • タイムゾーン

本プラグインは無料でダウンロードできますが、さらに機能が充実した有料版も用意されています。有料版はIP アドレスを制御する、ログインが成功or失敗した時にメールで通知する、IPアドレスに基づいてログイン回数のレポートを生成するなどの機能が追加で利用できます。

一般的なセキュリティは他のプラグインに任せて、ログイン履歴に関連するセキュリティ機能だけ追加したい方におすすめです。

User Login Historyの公式サイトはこちら

第三者からのログインを防ぐセキュリティの強化方法

ここまでログイン履歴を確認する方法や、そのためのプラグインをご紹介しましたが、実際には第三者からログインされた後に気づくよりも、ログイン自体を防ぐことのほうが遥かに重要です。

そこで、第三者からのログインを防ぐセキュリティの強化方法もご紹介します。

なお、不正ログイン対策については別の記事でも解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

WordPressの不正ログイン対策7つと誤った対策方法について

独自のユーザー名・パスワードを設定する

ログインする際に必要なユーザー名とパスワードの文字列を独自のものにすることは、セキュリティ対策の基本です。

推測されにくいユーザー名とパスワードを設定することで、第三者にログインされるリスクを軽減できます。具体的には大文字・小文字・数字・記号を織り交ぜた10文字以上の文字列を設定しましょう。この時、名前や企業名、サイト名など、予測されやすい文字列を使用しないことも重要です。

また、他のWebサイトからユーザー名やパスワードを使い回すと不正ログインのリスクが高まってしまいますので、あわせてご注意ください。

ログイン画面のURLを変える

管理画面のURLはデフォルトだと「https://ドメイン名/wp-login.php」となっています。この状態だと、ドメイン名を知っている人ならば第三者でも管理画面にアクセスできてしまいます。このためURLを変更し、管理画面へのアクセスを制限することが推奨されます。

管理画面のURLを変更するには、前述した「SiteGuard WP Plugin」をはじめとしたプラグインが有効です。

また、デフォルトの設定では管理画面URL(/wp-admin/)にアクセスすると自動でログイン画面にリダイレクトしてしまい、せっかくログイン画面のURLを変更した意味が薄くなってしまいます。そのため、ログイン画面URLを変更する際は、非ログイン時に管理画面にアクセスした場合にログイン画面にリダイレクトしないように設定しておきましょう。

IP制限をかける

ログイン画面や管理画面にアクセスできるIPアドレスを制限することで、外部からのアクセスを防ぐことができます。IP制限をかける方法は、プラグイン「SiteGuard WP Plugin」を使用する方法と、サーバーやファイアウォールで設定する方法の2つがあります。

後者はサーバーの設定に手を加えなければならず、知識がなければ少々難易度が高いです。初心者の方はプラグインを使用する方法をおすすめします。

一般ユーザーのログイン履歴を取得する場合は、プライバシーポリシーに留意

最後に注意点をお話しします。

IPやユーザー名は個人情報に該当し得るため、外部のユーザーがログインするようなWebサイトの場合、ログイン履歴を取得する機能を追加する際は、管理者がログイン履歴を確認する旨とその目的をプライバシーポリシー(個人情報保護方針)記述しておく必要があります。

例えば会員制のWebサイトなどの場合、プライバシーポリシーに「ログイン監査目的で保存する」という内容を追記します。

なお、社内の運用メンバーやサイト開発者など、内部の人間しかサイトにログインしない場合は特に気にする必要はありません。

まとめ

WordPressのログイン履歴を確認することは、セキュリティ向上やトラブル回避・対処の観点から重要です。

ログイン履歴を確認する方法は複数ありますが、特に理由がなければプラグインを使用することをおすすめします。難しい知識が不要なので、初心者の方でも簡単に履歴を確認できるようになります。

もちろん、ベストなのは第三者のログイン自体を事前に防げることなので、ログイン履歴を確認するだけではなく、その他の不正ログイン対策も徹底しましょう。

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